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わかおの日記315

彼女が家に来るということになって、起きて準備をしたはいいものの、肝心の彼女がなかなか来なかった。待っている間なにもしないのもよくないんじゃないかと思って、もうすぐ阿波踊りシーズンなので、久しぶりに三味線を引っ張り出してきて稽古した。

ずいぶん前に沢山練習して、そこら辺では敵なしの練度に達したあと、もうずっと三味線は上手くなっていない。三味線の練習曲はつまらなすぎる。全くグルーブがないし、メロディもなんか思いつきの繰り返しみたいで、それで飽きてしまった。

しばらくベンベンして、勘を取り戻した頃には彼女が来る時間になっていて、彼女を迎えに家を飛び出した。改札口からロケットのように飛び出した彼女はやる気がマンマンで、その勢いのまま歩いてラーメンチョップに行った。彼女の勢いはこの猛暑のなか、そう長くは続かず、3分も歩けばもう暑い暑いと文句を言っていて、それを頑張って引っ張り、なんとかチョップまで導いた。

厨房の店主は建築現場の人が着るようなファン付きのベストを着ていて、それくらい灼熱の店内でラーメンを食した後、隣のいなげやで涼みがてらアイスを買った。アイスを持ちながら、店を出てすぐ溶け出す彼女をなんとか家まで連れ込んだ。

連れ込んだ後は、アイスを食べたり映画を見たり、ゴロゴロしたりしていた。いつもぼくの家に来ると、彼女はぼくの短パンを借りて履きたがる。でかい短パンを履いた彼女は、昨日レッスンで習った踊りをたくさん踊ってみせてくれた。かわいかった。


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