見出し画像

わかおの日記224

面倒くさくなってここ3日ほど日記をサボっていた。決して書くことがなかったわけではなく、むしろ書くことはあったのだが、なんとなく気が乗らなかったのだ。ここ数日は疲れて、酒だけは欠かさず飲んでいたけれど、他のことも何もする気にならなかった。

木曜日は、ここ数週間サボっていた2限に出席しようと思い時間通りに家を出るところまではいったのだが、気づいたら部屋のドアが開いていてその隙間から犬が忍び込みぼくのワイヤレスイヤホンをボロボロにしていた。これですっかりやる気をそがれてしまって、結局2限には行かずに渋々3限から大学に行った。4限の授業で自分が書いたエッセイの講評があった、諸事情でここに載せるのは難しいのだが概ね好評で、まあ嬉しかったのだが、自分の提出したエッセイはいわば飛び道具で、本当なら豪速球で勝負したかった感じはある。イヤホンがこわれてしまったので嫌々電車の中で読んだ開高健の釣りエッセイがめちゃくちゃ面白かった。自然に対する眼差しや、異常なまでの行動力に戦中派のエネルギーを感じた。

金曜はどうせ2限の心理学など行っても無駄だということで彼女と東京駅で待ち合わせしてつけ麺を食べた。とみ田の系列店なのでもちろんうまかった。予期せずお互い植物柄の上着を着ていてペアルックみたいになってしまい、嬉し恥ずかしだった。5限の演習の授業で読んだ永井荷風の新橋夜話が面白かった。明治のタワマン文学といったようなもので、自分は現代を風刺したような作品はあまり好きではないが、同時代のものではないというだけでどこか他人事のように読めるので気が楽だ。そのあとは例の無頼派たちと大人のドリンクバーで飲みたいだけ飲んで帰った。11月の文フリにこの三銃士で出店しようと思っている。自分の文章を売ったり公の場に出すのは初めてなのでワクワクしている。

土曜日はバイトだった。戦慄するほど忙しく、サラダやチャイに悩まされた。あまりに忙しくて不貞腐れていたら、店長に注意された。ただ怒るというよりは、優しく諭すような大人の対応だったのが余計に心にきて、珍しくバイト終わりに彼女とちょっと飲んで帰ったら疲れ果てて寝てしまった。おれは何のためにこんな思いをしているのだろうと思う。結局今日も疲れが残って、何もできずにネットフリックスでアメリカ人が真剣にBBQする番組をみているうちに日が暮れてしまいそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?