わかおの日記294

当然のようにカレー屋だった。土曜日の割になんだか客入りが悪くて、13時を回ると結構暇になった。

なぜだか不思議だったが、答えは簡単で、天気が午後から悪くなるからだった。そんなこと全く知らずに家を出たので傘も持っておらず、いやだなあと思っているうちに雨が降り出して、雷も大袈裟に鳴りだしてきた。

レオさんが「ドイさんが家でたからじゃない？」と言った。意味がわからず聞き返すと、「ドイさん、こういうときいっつも『家でた途端に降り出したねん』って言うからね。今日も絶対言うよ」と謎の予言をしてきた。どうやらドイさんはそういう星のもとに生まれてきているらしい。

上がったあと、まかないを食べていたら遅番に入っている土井さんが出勤してきた。
「あっついな〜」
「蒸し暑いっすね、しかも雨だし」
「今やんでるけどね。さっき家でた途端に降り出したのよ」
ほんとに言った！と思って笑ってしまった。土井さんは、なぜぼくが笑ったのか分からず、とりあえず愛想笑いしていた。