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わかおの日記304

彼女とデート。代々木で集合して、うどんを食べて参宮橋まで歩く。ちょっといいところでうどんを食べようとすると、絶対にかしわ天と半熟卵の天ぷらのセットがあって、普通に考えたらそれを食べたら絶対においしいし、間違えなくて済むのだが、それで本当にいいのだろうか?とその時初めて疑問に思った。

少しいいうどん屋に行ったら、必ずかしわ天と半熟卵の天ぷらをつけ続け、死んでゆく人生。それは失敗を避け続け、無難な選択肢を取り続ける慶大生に似ている。

メニューにはもっといろいろあって、うどんは冷たいものしか食べないと自分は決めているのだが、それにしたってうどんはたくさんあって、1500円以上するのはさすがに嫌なので候補から外すにしても、それでもうどんは沢山あって、せっかくデートなのにザルうどんとかぶっかけうどんみたいな、あまりにも「素」すぎるうどんはふさわしくないだろうと思って絞り込むと、キノコの天ぷらのうどんと、かしわ天と半熟卵のやつだけが残った。

本当は半熟卵の天ぷらが食べたくてしかたなかったけれど、それをすると自分の人生を否定することになるような気がして、震える声でキノコの天ぷらのうどんを頼んだ。おいしかった。

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