わかおの日記267
母親に連れられて脱毛に行った。これで「脱」デビューは、脱構築でもなく脱資本主義でもなく、脱毛ということになった。
だいたいぼくはどちらかといえば文化系だし、大して見た目にオスっぽいところもないのに(肩幅だけは無駄に広いが)、両の足に生い茂る毛だけは大したもので、夏になると短パンを履くのにも軽い罪悪感があった。
こんなナリで脱毛サロンに独りで突入するのはだいぶ勇気のいることだったので、親が連れて行ってくれてよかったと思う。
もう21年も生きているから、自分の行いのダサさを見ないふりできる境地に達している。なので水泳で着替える時に使ったようなタオルをサイズが合わないながらも体に巻いて、必死で乳首を隠しながらベンチに座っているところを脱毛サロンの女性に見られても全く恥ずかしくなかった。
息子が毛を脱している様子がおかしくて仕方ない母親にスマホを向けられながら、毛を剃られたり冷たい液体をかけられたり、謎の機械で刺激を与えられたりする経験はもはや官能的で、全て終わった後は清々しい気持ちだった。
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