祖母の幻視を軽んじていた周囲
私の祖母(86歳)は、毎朝きっちり化粧をする。週に二回は洗濯をする。運動好きだったので、背筋が伸びていてしっかり歩く。美容室で週に一回はヘアセットを行い、お洒落がとても上手い。
耳が良く、気の利いた返答も得意。
美意識が高く賢い。
そんなところが母と私にとっては密かに自慢だったのだが
そのことが私達とお医者様にとっては、彼女の認知症の進行を見誤らせた原因となる。
「そこにいる女の子達は、孫ちゃんが連れてきたの?もう遅いから、帰るように言って?」
と、祖母が、見えない子