祖母への嫉妬を感じた時は
SNSを縦スクロールしていると
同級生が続々と結婚・出産している。
NHKの幼児番組のキャラクターについて熱弁、抱っこ紐はエルゴ一択、先輩からの出産祝いがセンス良い♡、念願のマイホームはキッチンだけはこだわった!etc
別世界のようで。
働いている子達は、そろそろ中堅。主任になりましたーとか、転職先も慣れましたーとか、転勤嫌だーとか、十人十色。
テレビを通しても、子役は大人になって、よく見ていた芸人は見なくなって、アイドルの顔はみんな同じに見えてきて
それでも、認知症で10代になった祖母と同じ家でくらしていると、全ての時はピタリと止まっている。家具や食器、食べる物、行く場所、通っている病院、銀行、会う人、ほぼ変わらない毎日。
それは、1ミリの環境の変化にも怯える祖母の為に、家族や行政や御近所さん、周囲の人達が必死に変化を食い止めている箱庭。
祖母はいつもオロオロと
「何もわからなくてすみませんが、良いように取り計らってください」
と言う。
贅沢だよ。羨ましいよ。私が80代なっても、誰も助けてくれる気がしないよ。世間知らずの女王様の希望の為に、私達がどれだけ毎日走り回ってると思ってるんだろう。
なんて、口には出さないけど、鬱憤が噴出したりしなかったり、したりする。
そんな自分を、蔑んだりしない。
自分は、ちゃんと向き合っている。不満や妬みが出るのは、真面目に向き合っている証拠。
でもうっかりそれが表面に出ないようにする為に、今度祖母がデイに行っている間に美容室に行ってトリートメントカットをお願いしよう。
それまで待てないから、今日は仕事に早めに行くふりをしてブックオフで立ち読みしてから出勤しよう。
スタバでソイラテを飲んでも良いな。
マッサージに行っても良い。
帰りには祖母の好きなロールケーキを買おう。
不満が出るのは、向き合い過ぎて疲れてるから。楽な方に楽な方に向かうのは逃げじゃない。
私の心の余裕が、祖母の笑顔の素だから。