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祖母が老人ホームへ行ってから負担が増えた母、減った私

お久しぶりのnote

世間がコロナで騒ぎだした頃、私の仕事はその影響をモロに受け労基法丸無視の超過勤務の毎日に移行した。

朝早くに起きて夜遅くに帰り、飯風呂寝るからの朝を繰り返す日々。不幸中の幸いなのは、祖母をコロナ騒動の前に老人ホームに預けることができたこと。

もし預けていなかったら、祖母の鬱症状と認知症状は加速して、コロナより仕事の過労より先に私が介護疲れであの世行きだったと思う。

冗談みたいだが私は去年末、本当に祖母との生活に疲れていた。

私の日中の仕事は保育業界だ。始業から終業まで子供の一挙手一投足・発言全てに気を張っている。祖母が老人ホームへ行くまで私は

日中は子供の前で「明るいセンセー」を演じ、退勤の打刻を押したらダッシュで帰宅、自宅の扉を開けて翌朝出勤するまで「優しい孫」のふりを1年間し続けていた。

祖母が老人ホームで暮らし始めてから私は、したこともない一人暮らしに慣れることに必死だったのと(私は祖母の家に引き続き住んでいる)すぐに訪れたコロナ超勤で目まぐるしい毎日を送っていた。

そんな日々の中で、祖母が頼りにしていたのは、実の娘である私の母だった。

朝の3時に「息が苦しいから看護師さんを呼んで良い?」から始まり

6時に「もうダメ、朝ごはんが待てない、時間が過ぎない、何をすればいいかわからない教えて」

12時に「朝ごはん不味くなかった。朝はごめんね、今はマシよ」

15時に「明日の朝、今日と同じことになったらどうしよう、スタッフの〇〇さんが傷つくことを言ったの信じられない」

19時に「〇〇ちゃん(祖母の妹)と電話した、あの子ったら本当声が大きいの」

21時に「なんかしんどい…息がしにくい気がするけど、何回も看護師さんを呼んだらまたですか?という顔をされるのが嫌」

という感じに1日に最低6回はスマホに電話が来る。話し相手がいないと自分を保てない。

孫は忙しい。娘は定年退職して在宅ワークだからいつも電話をとってくれるということで、母の負担が激増した。

母は「一緒に暮らしていた孫ちゃんに比べれば、電話くらい全然大丈夫」と言うが

母が1日かけて実家に祖父の遺品整理に来た日、私は初めて、祖母の電話攻撃を目の当たりにした。

スマホの着信音がひっきりなしに鳴り続ける。おんなじことを何回もボヤク。そのたびに母は、相槌を打ちなだめすかし、必要があればホームと連絡をとり、祖母の言いたいことを代弁する。

私なら、無理だ。

祖母と私が一緒に暮らしていた頃より、母の負担は増えたように見える。

祖母自身は老人ホームに大きな不満があるわけではないし、母も私も、小さなやりとりも対応してくれる手厚いホームだと感謝している。

それでも、祖母は部屋で一人でいることが耐えられない。自分の老いへの不安も重なって、どうしても誰かと繋がっていたい。

でも、どんなに優しい人間でも、24時間祖母のそばにいてあげられない。

とりあえず仕事がひと段落した私も、1日に1回祖母に電話をして母の負担を減らすことにした。

老人ホームに入れたからといって、何も終わっていない。新しい介護が始まった。


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