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絵本ができるまで タイトル文字編

ブックデザインさせていただいた絵本「ポポときせつのおかしづくり」の製作の裏側の続きです。1は↓から。

今回は、表紙のタイトル文字の話です。
タイトルは、手書きを元にしつつパスで製作しました。

最初に仮組みしたものはこちらです。

スクリーンショット 2020-04-22 18.43.38

この書体(こぶりなゴシック)も、ももろさんの絵に合っています。
このままでも、すっきりとして、レトロな感じもあり良かったのですが、少し教科書っぽいというか。小学校高学年向けの本に見えてしまうかも、と思い手書きのやわらかいものも作ろうと決めました。
最初からタイトル文字を作ろうとは考えておらず、中面も全てデータをいただき読ませていただいて、絵本の世界を膨らませているとき、元気があって、楽しそうで、そして優しいポポたちの世界を文字でも引き出せたらと思いました。

文字を書いたり、作るのも好きなのですが、私は文字を作るプロではないので、どちらかというと既存の書体が好きです。
だって、書体製作のプロが作っている文字は、視認性も高く、何より美しい。美しいんです。(タイプデザイナーという仕事があります)

でも、今回はいくつかこれだ!という書体を合わせたり少し手を加えてみましたが、作った方がよりこの世界にあったものができる…いう気持ちが高まったので、書いて直して、パスをとり、いろいろと試行錯誤をして諦めそうになりつつ作りました(普段から書体を作っていない身からすると大変で…)

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こういう文字が合いそう、というイメージを捕まえるために最初は紙にとにかく書いていきます。ふくろ文字も可愛いかも、直線ぽい強さが欲しい?丸い感じが合うかな…といろいろ考えながら書くラフです。

名称未設定のアートワーク++

紙に息詰まったらipadでも書いたりしました。とにかく手を動かして頭の中でタイトルの形を固めているんだと思います(ちょっと自分でもなんでこんなに書いているのかわからなくて怖いです)

書いたがまとまってきたらスキャンして、photoshopで文字を並べ替えたりして、固めていきできた最初の案はこれ。画像6

手書きベースで、丸ゴシックを元に書いたという感じです。文字として可愛かったのですが、イラストと合わせてみたらあまりしっくりこず。馴染みが良すぎて目に入ってこない(文字を絵に載せて大きく入れられるポスターのような物であればこれでもよかったかも)

丸が強くてやわらかすぎるとレほんわかとした絵本の世界が強くなりすぎて、もうすこしレシピが載っているという教科書っぽさが欲しい…という気持ちになまた手書きは細くてすこし頼りなかったので、文字を太くしたり、イラストと合わせながら何案か手書きベース、パスベースで作りました。最終案はゴシック体のように書体に角を足して文字としてしっかり輪郭が見えるようにしました。

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スクリーンショット 2020-04-22 18.49.35

と、いう感じでタイトルは作っていました。
手書きの文字って情報量が多すぎると思う時がおおいので、今回はももろさんの絵を引き立てつつ世界を強めるので比較的きっちりした形のタイトルとなりました。

次回は帯をやめてなぜシールにしたか、あとは裏表紙や背表紙についてを。

amazonや楽天ブックス入荷未定で買えなくなってしまいました(2020 5/5現在)
外出自粛ですが、ネットから近くの書店の取り寄せなどもできるので買い物のついでに近所の本屋さんなどで買う、などもしてみてもいいかもしれません。


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