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国際結婚と姓~私が姓を変えなかった3つの理由~

日本の法律では結婚すると、夫婦のどちらかの姓に変えなくてはならないことになっていますが、婚姻相手が「日本に戸籍のない外国人」の場合は違います。姓をどちらかが変えてもいいし、変えなくてもいいことになっています。

タイ人の夫と結婚して早8年になりますが、私は姓を変えないことを選択しました。選択したって言っても、結婚するときに熟考して決めたことではありません。たぶん、役所の人に「どうしますか?」と聞かれたときに、直感で決めました。気が変わったら、後で変えればいいと思っていました。

ちなみに結婚して姓を変える習慣は、日本独特のものではなく、私が住んだアメリカ、オーストラリア、タイでも結婚後に姓を変える人は多いです。なので、少数派の経験だと思って聞いていただけると幸いです。

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私は、結婚して8年経った今も、姓を変えなくてよかったと思っています。その理由を考えてみたら、3つにまとまりました。

1)行政手続きが楽

日本人同士の結婚でも同じですが、姓を変えると、すべての行政書類に記載されている氏名もすべて変更しなくてはいけません。パスポート、クレジットカード、運転免許証などなど。変更にお金がかかるものもあるそうですね。私はやったことないので、実際に手続きをされた方の方が詳しいと思うので、詳細は端折ります。

また、外国でビザや労働許可証を申請するときって、色んな書類を要求されるのですが、結婚によって姓を変えた人は、「氏名変更証明書」など、より多くの書類を要求されます。タイの場合、書類の原本が日本語だと、英語とタイ語の翻訳も提出しなくてはなりませんので、1つ書類が増えるだけで、負担も大きくなります。少ない書類で手続きできるのは、良かったと思っています。

2)タイの姓は長いから、読めない、氏名欄に収まらない

英語圏の姓は、スミス、ジョンソンとか、割と短めですが、タイの姓は長い!特に中華系タイ人の名前は、中華系の名前(ワン、ジャン、リーなど)の後に、言葉を足して出来たものが多いので、特に長い!

例えば、今のタイの首相は、プラユット・チャンオーチャーさんといって、恐らく、姓の頭の「チャン」は中華系の姓から来ていると想像します。(学生の姓でもっと長い名前をよく見ますが、個人情報のため、日本でも有名な方の名前を例として挙げました。)

読み方も独特だから、外国人にはなかなか読めない。日本や英語圏の書類の氏名欄に収まらない長さの姓も多いです。収まらないとわざわざ自分から問い合わせしなくてはならないなど手間がかかりますよね。

私の場合、氏名ともに日本名なので、困ったことはありませんが、住所が長くて書ききれないことはよくあります。タイは姓だけでなく、住所も長いです。何度かオーストラリアの金融機関にメールしたり、電話したりしたことがあります。

もし、私が夫の姓に変えていて、日本の病院の待合室で、その姓で呼ばれたら、その場で一気に周りの注目を集めるだろうな~と想像すると、今のままでいいと思ってしまいます。

3)自己アイデンティティーの確立

タイでは、同じ姓を持つ人は同じ家系の人以外あまりいません。姓で検索すると、だいたいその人またはその人の家族を特定できてしまいます。私が夫の姓を名乗ったら、すぐに彼の妻だとバレてしまいます(笑)

私たちのことを知ってる人はみんな知っているし、別に隠しているわけではないのですが、広める必要もないかなと思っています。夫には夫の好きな人生を送ってほしいと思っていますし、私も私の好きな人生を送りたいと思っています。それでも一緒にいたいと思うから、夫婦をやっているんだと思います。

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最近日本では「選択的夫婦別姓」が議論されていますが、現在の日本の制度上、姓を変えないまま結婚している人の情報はまだ少ないと思います。婚姻届けを提出せず、別姓のまま生活を共にしている日本人カップルはいらっしゃいますが、結婚していない分、余分な手続きが多く、それを乗り越える強い意志が必要だと想像します。

将来国際結婚を考えている方はもちろん、将来日本で選択的夫婦別姓が認められたときの参考材料になればと思い、noteに書いてみました。内容がかなりタイに寄っていますが(笑)

今日の学び

選択に正しいも、間違いもない。

でも、後で「やってよかったと思える選択」はできる。

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