交通事故in新婚旅行先

マレーシアに行った。会社から休みをもらい、約1週間。前半は首都でショッピング、後半はリゾート地でだらだら、というざっくり旅。

彼がバックパッカー経験者で、まぁまぁ治安の悪いところを渡り歩いていた。今回は海外がほぼ初めての私、そして他人との海外旅行は初めての彼だったため、治安の良いらしい街へ行くことになった。

私も彼も物欲が無いため、ほぼお土産探しの前半となった。人のためにこれ買おうぜと喋っている方が楽しかったので。物欲ないのにショッピング行くなよという感じだが。

お揃いで何か買おうと向かった店の値札には、日本なら絶対に手を出さない金額が並んでおり、新婚旅行の思い出という補正をかけても到底買う気になれず、断念。欲しいものがない二人のお揃いてこんなに選ぶの難しいの?

結局最終日に可愛い紅茶の缶を見つけ、部屋に飾ろうということで落ち着いた。お揃いでもなんでもないのだけど、これはこれで私達らしい。



イスラム美術館を見ようということで、我々はタクシーに乗った。ここで事件が起きる。

走行中、後ろから追突された。タイヤがパンクしたのかと思うくらいの音で、何が起きたのか分からず、彼と顔を見合わせた。

追突してきた車はそのまま逃走。こちらの運転手もけたたましいクラクションを鳴らしながら追いかける。我々の行き先を無視してカーチェイスが始まった。彼とむち打ちの確認をしながら、ひぇえ…とおののく他なかった。

逃走した車の後ろもバキバキに凹んでいたのだけど、「えっ、後ろから追突してきた車の後ろが凹んでるって何…?」と思ったけど、別の事故もやっているんだ…と分かった瞬間、海外こえーなと他人事のように眺めていた。

しばらくカーチェイスしたあと、キキキーッ!と逃走中の車がこちらに方向転換してきた。でも止まるわけではなく、こちらから追突するわけにも行かずで、そのまま逃げられた。その時に見えた、我々のタクシーにぶつかったためにできたであろう、前方のボディのベッコリとした凹みはえげつなかった。こんなん人間やったら死んでるやん。こわ。

めちゃくちゃにため息をつく運転手にアワアワと声を掛けていたらイスラム美術館に着いた。みんな降りて車の後ろを確認。ブレーキランプがバキバキに折れ、車体は凹んでいた。

運転手はカーチェイス中に撮った写真を見せてくれて、そこには当て逃げしてきた車のナンバーがばっちり写っていた。私と彼は唖然とするばかりだったのだけど、ムービー撮って送ってあげたら良かったねと、彼と二人で申し訳なくなった。むち打ちにもならず、お互い無傷だったのが不幸中の幸い。

海外旅行らしすぎるネタができたねと二人で喋っていた。


イスラム美術館はネットで見たとおり、とても見る価値のある場所だった。グーグル翻訳を駆使してなんとか書かれていることをふんわり読み取りながら歩いていた。結構見たな、と思って館内図を見返すと、まだスタート地点にいないことが分かり、豊富な情報量に圧倒された。



翌日、飛行機でリゾート地に行き、プールでキャッキャ、カフェでキャッキャ、ハンモックでキャッキャ、カヤックでキャッキャとはしゃぎ回った。

首都でのショッピングはすでに記憶の彼方に行きそうだが、カヤックに乗ってマングローブの中を漕いでいくのはめちゃくちゃ楽しかった。アクティビティ、最高。よく飼いならされた猿を見せてくれたり、マングローブにしかならない植物の説明、鷹のえさやり、日本で見たことのないものがたくさん見られた。レビューが4.9とかのほぼ皆満足のカヤック、分かるわ〜と思いながらカヤックを漕いだ。森の中の静けさ、まじで音がなくてびびる。

リゾート地は私達より若いお客さんがいないくらいの年齢層の高さで、日本人も見かけなかった。何もしない贅沢を味わいたいなんて、そりゃあ若い内はないっすよね、という感想。子供の声もほぼない大人の空間はとってもリラックスできた。

社畜根性の彼は次にやることを無意識に考えてしまうと言っていたけど。何もしないに向かない人間。止まると死ぬマグロか。私は何もしないが得意すぎるのでとても寛いだ。彼が揺らしてくれるハンモックで寝こけて体がバキバキになった。

リゾート地に行くまでに交通事故とは別のプチ事件が起きたのだけど、そこで彼と私の価値観の違いが浮き彫りになって面白かった話はまた後日。

不憫な旦那さんに全額寄付します。