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2023年の読書を振り返る

読書感想を書き始めたのは今年の8月である。
ただ読書記録自体は2014年ごろからつけていた。
平均して毎年140〜150冊は読んでいるのだが、今年は平均より多めの171冊読んでいたらしい。
基本的に新刊を中心に読んでいるのだが、まぁこんな冊数の読書を20年近くもしてりゃ読みたい本は新刊待ちにならざるを得ないのである。
新刊を中心にしているといま作家さん達が何に心を痛めているのかが良くわかるなぁとつくづく思う。
大きな災害や凄惨な事件があった後は、それを昇華させるために描かれる作家さんはやはり多く、きっと自分の気持ちを整理されるためにこのテーマを掘り下げられたのであろうことが端々から伺えるのである。
そんな中、じゃぁ今年は?となると、やっぱりコロナのもたらした衝撃を感じずにはいられない。
いろんな作家さんが、いろんな場面で、コロナから受けた影響を文字にされていた一年だったと思う。
いろんな本を読みながら、自分も同じようにコロナで傷ついていたことをそんな作品で気づかせてもらい、同じくらい癒してもらった。
読書のおかげで気づける感情があり、自分でもはっきりしなかった思いを形にしてもらえることがある。
今まで自覚できていなかった感情なのに、文章にされたときに驚くほど自分に馴染んで生々しい痛みに覚えがある時、作家さん達の凄さに圧倒される。
自分の感情を、人の痛みを、どうしてこんなわかる言葉に出来るんだろう。
自分でもわからなかった感情が文章になっているたびにその感情を自分でも見つめ直せ、読書をしていたから整理できる感情があり、そうやって感情の形がはっきりしたことで支えられてきたと思っている。
単純なミステリーも壮大なファンタジーもただ面白いだけのエンタメも大好きだが、そのストーリーだけではなく、そこに差し込まれる何気ない言葉が何より好きかもしれない。
知ってる言葉の羅列のはずなのに、自分では並べられなかった文章にいつも心を鷲掴みにされている。
よく本くらい読まないと、と語る方がいるが個人的に読書なんてしたけりゃすればいいし、興味がないなら読まなくていいと思っている。
本を読むのは趣味でしかないし、そこに特別な理由なんてなくてただ読みたいから読んでいるのである。
ただそこには自分を支えてくれる言葉があって、面白い世界が広がっていて、僕はそれに支えられてきただけだ。
だから少しでも気になる本があった人は、思い切って読んで欲しいとは思っている。
あぁ今年も楽しく本の世界を堪能させてもらった。
来年もいい本に出会えることが楽しみだ。



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