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同性愛、女性差別…「ムーミン」で多様性を表現した原作者の知られざる葛藤

映画「TOVE/トーベ」監督インタビュー

世界中で愛されるムーミンを生み出したのは、フィンランド人のトーベ・ヤンソンという女性だ。第一世界大戦直後に生まれた彼女は、彫刻家の父と挿絵画家の母のもとで愛されて育ち、14歳のころには挿絵画家としての仕事を始め、第二次世界大戦終結の1945年、30代でムーミン物語の第1作『小さなトロールと大きな洪水』を出版した。

ムーミンは日本であまりにも有名だが、その原作者であるトーベに同性愛のパートナーがいたこと、そして、ムーミンが自国フィンランドで評価されるのは海外よりも遅かったことはあまり知られていない。

そんなトーベ・ヤンソンの30代から40代前半の人生に迫った伝記映画『TOVE/トーベ』が公開中だ。

トーベの作品や一生住み続けたアトリエが忠実に再現され、最初の同性愛の恋人ヴィヴィカとのラブストーリーを軸に描かれた本作。ヴィヴィカとの関係は、ムーミン物語の中で2人だけの秘密の言葉を話すトフスランとビフスランとしても描れている。第二次世界大戦後の激動の時代に生まれた恋は、トーベの作品世界にどんな影響をもたらしたのか。そして、トーベ・ヤンソンとはどんな女性だったのか。本作の監督を務めたザイダ・バリルート氏に聞いた。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/87946

【取材後記】

文字数の関係で記事に盛り込めなかったけれど、監督によると、当時のフィンランドは、「スウェーデン語を母国語にするフィンランド人」vs「フィンランド語を母国語にフィンランド人」で分断されており、トーベはスウェーデン語系コミュニティに属していたそう。彼女は社会的マイノリティだった。性的指向や文化的マイノリティだったトーベだからこそ、ムーミンが生まれたのだろう。

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