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雑感:選挙の秋がやってくる~衆議院議員選挙~(その4)

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 衆議院議員選挙が公示となり、全国各地で遊説パラダイスになっているなぁというのと同時に、今回はより本格的なネット選挙の色合いを強く感じ、恐らく陣営毎にネットという空中戦略でどう選挙戦略を展開していくのか?という部分に四苦八苦しているのかな?という部分を感じつつも、候補者当人の素顔とかも知りやすくなぅた環境なのかな?とも思います。気が向いたらこの辺の考察も別途書いてみたいと思います(笑)

 今回のその4(第4弾)は自衛隊関係について書いてみたいと思います。

1.そもそも自衛隊ってどういう存在?

 自衛隊法第3条には自衛隊員が担う任務に就いて規定されていますが、次のように規定されています。

第三条 自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。
2 自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
一 我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動
二 国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動
3 陸上自衛隊は主として陸において、海上自衛隊は主として海において、航空自衛隊は主として空においてそれぞれ行動することを任務とする。

 自衛という言葉の通り、日本という国家を守るための組織としての任務と国際平和・国際協力に寄与するための組織として自衛隊が存在しているという事が自衛隊法第3条規定されています。こうして見ると、自衛隊という存在が戦争を前提とした組織という見方もできる一方で、読者の中で自衛隊というと災害救助で大活躍な組織という見方をされているかもしれません。

 自衛隊法第83条という規定によって、都道府県知事その他政令で定める者は、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合には、部隊等の派遣を防衛大臣又はその指定する者に要請することができます。都道府県にはそれぞれ警察や消防といった組織があるけれど、それでもカバーしきれなくて自衛隊を使うという事に対して自衛隊が本来担う国防を無視して便利屋の如く自衛隊を使っているのではないか?と指摘する保守派の議員もいたりします。(この考察は、別途書いたことがありますのでそちらをご一読してみて頂けますと幸いです。)

 実際、元官僚で安全保障政策にも携わった柳澤協二氏は著書で官邸から「自衛隊だから違憲で問題なのであれば、自衛隊とは別組織として送ればいい」という別組織論が官邸から聞こえた際には防衛官僚としてのプライドにも影響したと振り返っています。(参照:『自衛隊の転機 政治と軍事の矛盾を問う』pp34)法律上は、自衛隊がどういう存在意義のなのかを規定している半面憲法との兼ね合いで実際のところ存在意義が宙ぶらりんとなっています。

2.自衛隊を憲法に書き込む

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 前回のその3でも紹介しました、今回の衆議院選挙における自民党の政策パンフレットから憲法改正の部分を切り抜きました。右下3つ目の項目の中で、自衛隊の明記(自民党が発表したことがある憲法改正草案では国防軍)が書かれています。この背景には、日本国憲法に自衛隊がどういう存在なのかというのをはっきりさせるのと同時に名実ともに自衛隊は日本国を守る実力組織であるという事を示す役割として考えるのではないかと思います。

 しかし、自民党の改憲草案に即して見ると第9条の2で我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持すると規定されいて、行政権を司る内閣の長である内閣総理大臣が軍事権と紐づく国防軍(自衛隊)の最高指揮官として君臨するのであれば、これは行政権の範疇として考えるのが自然な流れで現行憲法73条にも規定が必要となりますが、恐らく性質上軍事権としての捉え方をするのが普通だと考えた場合、行政権の範疇を超えた軍事権としての国防軍(自衛隊)を設置するのであれば組織・作用・統制の3つの要素を考える必要があり、この3つの要素は明治憲法下における日本軍においても規定されていたそうです。(参照: 『憲法問答』橋下徹 , 木村草太 (著) pp236)

3.確かに国際社会がピリピリムードだけれども

 人間それぞれに個性があるように国家にもそれぞれ個性があります。そして、その個性の中心を担っている組織が他の人間(国家)に対して圧力的な対応をすれば、それは世界というスペースに住まう人間(国家)の安全に影響を及ぼし、その最小単位である国家を守る上で宙ぶらりん状態な自衛隊をなんとかしたいという気持ちもあるのだと思います。

 しかし、いくら宙ぶらりん状態な自衛隊を何とかしたいからと言って自衛隊にぶち込めばOKというわけではないという事が分かります。これまで書いてきた考察の過程で見てきた、自衛隊が行政権の範囲なのか軍事権の範囲なのかという点で誰が最高責任者なのか?という点も違ってきます。また、国際法という国際社会における共通のルールにおける戦力の所持や個別的自衛権と集団的自衛権のどこまで行使が出来るかを法律に規定するといったように、複雑怪奇な考察が必要となってきます。

 だから、政党や政治家に質問する際に憲法改正で自衛隊を明記する際には行政権の範囲なのか?軍事権の範囲なのか?どっちなんですか?と聞いてみるのも一興だと私は思います。

 次回は経済政策について書いてみたいと思います。

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