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雑感:いじめは武勇伝でもなんでもない~小山田問題から~

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 色んなところに余波が出ていますね。東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式音楽担当だった小山田圭吾氏の問題。問題の概要はAFP通信配信のネット記事に任せます( https://www.afpbb.com/articles/-/3357448 )が、一言で言うと組織委員会アホだよね?っていう印象です。今回はこれをネタに書いてみたいと思います。

1.犯罪とも思えるいじめ内容と武勇伝チックな語り口

 ハフポストからの引用ですが、「ロッキング・オン・ジャパン」という雑誌の1994年1月号にて次のような内容が載せられていました。

●でも、いじめてた方だって言ってったじゃん。

「うん、いじめてた。けっこう今考えるとほんとヒドいことをしてたわ。この場を借りてお詫びします(笑)だって、けっこうほんとキツいことしてたよ」

●やっちゃいけないことを。

「うん。もう人の道に反してること。だってもうほんとに全裸にしてグルグルに紐を巻いてオナニーさしてさ。ウンコを喰わしたりさ。ウンコ喰わした上にバックドロップしたりさ」

●(大笑)いや、こないだカエルの死体云々っつってたけど「こんなもんじゃねぇだろうなあ」と俺は思ってたよ。

「だけど僕が直接やるわけじゃないんだよ。僕はアイディアを提供するだけでさ(笑)」

●アイディア提供して横で見てて、冷や汗かいて興奮だけ味わってるという?(笑)。

「そうそうそう!「こうやったら面白いんじゃないの?」って(笑)」

 全裸にしてグルグルに紐を巻いてオナニー・ウンコを喰わしたり・ウンコ喰わした上にバックドロップしたり、これを読んだだけでも正気の沙汰ではないなと思うのと同時に、小山田氏の年齢から逆算するとあれが掲載された当時の年齢が25歳前後と推測できます。25歳前後まで自身が学生時代に犯したいじめをさも武勇伝の如く話すというのはバカの極みなんだなと思います。

 また、当人は自らが行ったのではなくアイデアを提供したに過ぎないと言っているようですがこれもこれで正気の沙汰ではないし、刑法には共謀や共同正犯という考え方があり、これとの兼ね合いも出てきます。(詳しい解説は下記動画を参照してください。)

2.組織委員会は素性調査をしたのか?

 東京新聞配信のネット記事によると、橋本氏(橋本聖子組織委員会会長)も、小山田氏の過去の雑誌での告白について「ご指摘をいただいた後に拝見した。しっかりとチェックしていくことができていなかった」とチェック不足を認めた。
 小山田氏の発言について「東京大会の柱である多様性と調和、障害の有無、人種、肌の色、すべてにおいて差別のない多様性と調和を東京大会では発信していかないといけないコンセプトからは外れていた」とし、「今回の問題というのは多くの心を痛めた方々にお詫びをしなくてはいけない。早急な対応が遅れたこともお詫びをしないといけない」と述べた。とのことです。

 紙媒体としての記録が残っている以上、オリンピック憲章においてオリンピズムの根本原則として掲げている権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、 国あるいは社会的な出身、 財産、 出自やその他の身分などの理由による、 いかなる種類の差別も受けることなく、 確実に享受されなければならない。に違反しているのは明々白々で、これぐらいの素性調査を選出段階においてしていなかったのではないか?と突っ込まれても致し方ない気持ちを覚えますし、セカンドレイプという言葉があるように、今回の報道をきっかけとして過去に小山田氏からいじめの被害にあった人は名前は出ないにしてもこうして公衆の面前に出されてしまうという事で更なる仕打ちを受けてしまうという事なりました。こう考えた時、組織委員会の罪の重さはさることながらこの事実を今の今まで知らなかったと言い張る開催都市の東京都と支え手の政府が知らなかったという罪深さは図りしえないと私は考えます。

3.ネットリンチ

 一方で、擁護派と呼ばれる意見の中で共通項として挙がっていたのが過去の事柄を槍玉にして過激な誹謗中傷が熱を帯びてネットリンチのような状況になる可能性を危惧しているという点です。例えば、お笑いコンビEXITの兼近大樹は朝の情報番組で次のように語っていたそうです。(参照: https://hochi.news/articles/20210719-OHT1T51022.html )

「このことに関して誰かが発信したことに『擁護じゃないか』『かばっているのか』『お前もこいつと一緒だな』などの声が見えていて、個人の人格を攻撃するようなものもあって。関係のない攻撃は、いじめの一種になるんじゃないかというのを思っている」

 また、社会学者の古市憲寿氏は自身のTwitterで次のように持論を展開しています。(概要は東京中日スポーツの配信記事を参照ください。)

 インターネットという匿名性の高い媒体を介して特定の人を追い詰めることは一種のリンチみたいな傾向にあり、それがもたらした不幸は数知れずあります。それは事実なのかもしれません。しかし、だからといって昔犯した過ちを大人になっても自慢気に武勇伝の如く話す人が公共性の高いイベントに携わる事を是と思う事が出来るのでしょうか?。そして、過去に小山田氏からいじめ被害を受けた人は今回の報道をきっかけにして公には名前が出ないとしても記憶として深く刻み込まれている事柄であり、それがフラッシュバックしているかもしれません。そこへの想像力に欠けているなと私は思います。

 

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