雑感:聖地とモラル

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 以前私はラブライブ×聖地巡礼という観点から上のnoteを書きました。きちっとした手筈の下における聖地としての認知からのアプローチで、節度を持って伺う分には十分良いかもしれません。しかし、それを守らない勘違い野郎が今般放送中のラブライブ!スーパースター!!にありました。今回はこれをネタにして書いてみたいと思います。

1.概要

 ラブライブ!スーパースター!!の公式ホームページに次の文章が出てきました。

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 この事案を簡単に説明すると、北海道中富良野町にある「ノーザンスターロッジ」(以下、当該ロッジ)という場所が作中で描かれていたロッジに似ていると勘違いした一部のラブライバー(ファン)が当該ロッジに問い合わせをしたことが起因しているようです。実際作中で描かれている場所や風景の中にはロケハンをした上で描いているので、クレジットにも当該ロッジの名前が取材協力として書かれていますが、書かれていませんでした(下図)。つまり、当該ロッジはロケハンに行かれていないようです。また8月24日付のJ-CASTニュース配信の記事によると、アニメの制作会社から21年に舞台にしたいと相談があり、話し合った結果、この話はなかったことになったそうで、担当者からは、外観なども参考にすることもしないと言われたといい、「アニメに登場する建物は当ロッジではございません」としたとのことです。

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2.考察

 まず前提として、今回の事案について暴走したラブライバーの行動には呆れています。それを据えた上でもなぜ1期のカフェのような間違いを犯してしまったのかな?という疑問は残ります(詳細はこちらをご覧ください→  https://myjitsu.jp/enta/archives/89923 )。これを考える上で、参考になるのがエステーの消臭力のCMを手掛けたマーケターの鹿毛康司氏の著書『「心が分かるとモノが売れる』にあります。(余談ですが、この本の感想文をnote内で書いてますのでそちらも良ければご一読ください↓)

 
  鹿毛氏は著書で自分の事を理解しお客様の心に周波数を合わせるステップ(トレーニング)として、次の3つのステップを言っています。(pp89~pp101)

1.行動を見つめる「眼力」を鍛える

2.自分の「感情」「意識」に潜む心を見つける

3.心のフタを開ける力をつける

 本書においては1人称で書いているので、これを制作スタッフと置き換えて一部のモラルが無いファン心理に即して考えた場合、インターネットがこれだけ浸透している時代においては作中と舞台となったエリアをキーワードにして調べればある程度の絞り込みが出来てそこを聖地だと思って行きたいと思う可能性を1期のカフェの時点で反省をすれば今回の当該ロッジの件になる前に手を打つことが出来たのではないか?と私は思います。

3.おわりに

 以前書いたnoteで引用しましたNAIS Journalに掲載された論考(NAIS Journal vol. 14 「アニメの「聖地巡礼」による沼津市の経済効果の分析」 于 経天,大西 健吾(京都情報大学院大学))のように、アニメが地域の経済や交流人口の増加にプラスの側面をあたえるという事は検証されています。しかし、これは制作側と当該地域,場所の信頼性が基礎となって成り立っている側面と節度を持って訪問し楽しんでいるファンがあっての形だと考えると、一部度を超したラブライバーの情けない行動が水を差したというのは間違いないですが1回過ちを犯したのならば度を超した行動をするファン心理に即して手を打つことができた側面にも目を向けて作品を産業,ビジネスとして大きく羽ばたいてほしいと思うし、長く愛されてほしいと切に願って今回は筆を置きます。

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