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日本人が知らない日本人No.10

カンボジアで頑張る日本人、元田土茂さん。

ガンボジアでラーメン店店主として奮闘する元田土茂さん。

カンボジア北西部の都市・バッタンバンは国を代表する米どころで、高級米の産地としても知られるのどかな田舎町だ。

その町の中心部にあるのが、昨年3月にオープンした土茂さんのラーメン店「ライスホリック」。

日本食さえ浸透していない田舎町初のラーメン店で、豚骨や味噌など本格的な日本の味を8種類提供している。
最大の特徴はスープに「糀」を使っていること。

使用する米糀はバッタンバンの米を原料に、自ら手間と愛情をかけ作っている。

あえてラーメンに糀を使うのは、将来的には米どころでありながら米糀の文化がないバッタンバンに米糀の会社を作り、商品をプロデュースしたいと考えているからだという。

大学の語学研修で訪れたオーストラリアが気に入り、卒業後は現地で8年間、イタリアンやフレンチ、中華など様々な飲食店で雇われの料理人として働いていた。

常々どんなジャンルの料理でも作れる反面、強みがないとコンプレックスを感じていた土茂さんは、これを機に、日本が誇る食文化「糀」を武器に勝負しようと一念発起する。

そして妻の安佑美さんと共に糀作りを研究し、ラーメン店をオープン。

またたく間に大人気となるが、物価の高さなどから手軽な価格で提供できないことがわかり、オーストラリアでの独立を断念。

こうして日本へ戻ろうとした途中、新婚旅行代わりにたまたま訪れたのがカンボジア。
バッタンバンの大地に広がる田んぼの光景に圧倒され、数日で移住を決めてしまったという。

親からの資金援助もあり、力を合わせた夫婦はわずか3カ月でラーメン店を開業。

日本の食文化を信じ、この地にきて1年。

今では新しい家族も増えた。長年、飲食店を転々とし両親を心配させたという土茂さんは「やりたいことをやらせてもらってたのは、親の理解があったから。あとは結果を出せるように頑張りたい」と感謝を口にする。 

42歳にしてようやく一国一城の主となり、さらなる挑戦を続ける。

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