日本人が知らない日本人No.13
カンボジアで頑張る日本人、古白川真さん
(グッと地球便出演)🌍
クラフト工房を営む古白川真さんは市内のアパートの一角に小さな工房を持ち、財布やカードケースなど革製品を製作している。
ブランド名は「Andkow&Co.」(アンドコウ・アンドコー)。
「コウ」には、アンコール遺跡の「コー」、カンボジア語で牛を意味する「コー」、革の香りの「香(こう)」など様々な意味が込められている。
主に観光客向けに販売しているため価格は少し高めだが、欧米のヴィンテージ品のように、今作っているものが50年後、100年後に「カンボジアンヴィンテージ」と呼ばれるようなものになればと願う。工程は全て手作業。技術は独学で身につけた。
ヤンチャな少年時代を過ごしてきたという真さん。中学生の時にギターにはまり、音楽で生きていこうと決め高校入学後すぐに中退する。
17歳でロックバンドを結成。インディーズで全国ツアーを開催するほどの人気グループに成長し、レコード会社からメジャー契約の話が持ち上がるが、その頃ケンカが原因で警察沙汰に。父親が謝罪する姿が目に焼き付き、改心した真さんは23歳で音楽をやめ放浪の旅へ出た。
世界中を巡る中、シェムリアップの人々の優しい人柄に惹かれ、6年前にカンボジアに移住。全財産をつぎ込んで会社を立ち上げたのだった。
真さんが今、レザークラフトに加えてブランドの看板商品として力を入れているのが、空になった弾丸の薬きょうを溶かした真鍮で作るアクセサリーや食器。いまだに地雷や不発弾が大地に潜むカンボジア。
真さんもその現実を知りたいと地雷撤去の現場に出向き、内戦の悲惨さを肌で感じてきた。こうして考えたのが「銃器を什器に」「武器を食器に」をコンセプトにした、カンボジアの歴史を映す新しい工芸品。
「人を殺す武器が人を輝かせるアクセサリーになる。ネガティブなものがポジティブなものに変われることを、ものづくりとして伝えたい」。自身も歩んできた破天荒な人生。だからこそ「人は生まれ変わることができる」というメッセージを込め作品を作っている。
ものづくりを生業として4年。常に新しいアイデアを追い求め、「カンボジアンビンテージ」という未来に残る文化を生み出そうと今も奮闘している!