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さよならまたいつか。
青黒い頬。赤黒く染まった耳たぶ。
下唇には堪えたときにできたらしい、血塊がうすくこびりついている。
17年ぶりの再会、たった半年の想い出。
とても軽いようで、貴重なようで、すごくちょうどいい。
去年の夏、長い空白をはさみ、お互いに少し太って老けた姿で待ち合わせた。
始めて会ったときからは20年が経っていた。
懐かしさと僅かに当時のほろ甘い想いの入り交じった気持ちが染み渡っていく。昔なかったハ
花火大会と浴衣とビール
子供のころ一発も見逃したくなくて「花火大会」に卑しかった自分。虫に刺されていることにも気づかず花火の虜になった。家に帰ったら赤い斑点に覆われた手足に塗布されたキンカンがきつく染みた。
その頃の私にとって、夏に花火を見ないなんて、東京に行ってディズニーランドに行かないも同然のことだった。
いや、もちろん東京に行ったからといって誰もがディズニーランドに行くわけでないことくらい今は理解しているが、当時東