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『本山へ行く!』其の十三 東本願寺

とりあえず3回連載企画『本山へ行く!』だったので、2021年12月の『其の十二 四天王寺』を最後に打ち切ろうと思っていましたが、1年の充電期間を経て再開いたしました『本山へ行く!』。

この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山をS木くんと一緒に参拝し、
それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがInstagramに、わたくしF倉がnoteに、同時にネタをアップするInstagram&note連動企画です。
そして、専属カメラウーマンT辺さんが同道して、すばらしい写真を撮影してくれています。

今回の『本山へ行く!』で訪れたのは、京都市下京区にある東本願寺さん。

東本願寺さんは「お東(ひがし)さん」の愛称で良く知られていますが、正式名称は「真宗本廟(しんしゅうほんびょう)」と言います。
廟とは祖先の霊を祀る所という意味で、「真宗本廟」とは「浄土真宗の開祖である親鸞聖人(しんらんしょうにん)の霊廟(れいびょう)」を意味します。

浄土真宗本山の伽藍様式は「両堂様式(形式)」といって、室町時代以降阿弥陀堂と御影堂の二つの仏堂が横並びに建てらるようになりました。

阿弥陀堂
御影堂

そして、今回取り上げるネタは、これです、これ!

向拝四本柱

仏堂正面に設けられた「向拝四本柱(ごはいしほんばしら)」です。仏堂の孫庇(まごびさし)を支える長くて太いこの柱について話したいと思います。

戦国時代が終わりに近づき、再度京都に戻ってきた東本願寺〈※分派前の本願寺〉は、親鸞聖人の御木像をご安置する御影堂を始め諸堂の整備を行ないました。大型仏堂の正面を飾る向拝四本柱は、本山である東本願寺の両堂を特徴づけるものの一つとして一般寺院から憧憬(どうけい)の念を抱かれることが多かったのか、一般寺院が本堂を建立するときには本山の東本願寺にお伺いを立て、許可されて初めて向拝四本柱を持つ本堂を立てることができました。本山から特別な許可を受けるということは、各地方において「我が寺院は本山・東本願寺に認められた真宗大谷派の有力寺院である」という証にもなり、各地の有力寺院が本堂を建立する際にはこぞって申請をしたという記録が残っています。

向拝四本柱の他に東本願寺が一般寺院に対して許可制を布いたものには、木仏の阿弥陀如来像、親鸞聖人の絵像掛軸、須弥壇(しゅみだん)や前卓(まえじょく)、撞鐘(つきがね)〈※梵鐘〉などがありました。

余談ですが、東本願寺には「三大門」といわれる門があり、その一つが阿弥陀堂門です。四脚門形式、檜皮葺(ひわだぶき)の切妻屋根に前後唐破風が付きます。1864(元治元)年蛤御門の変で焼失後1911(明治44)年に再建され、『宗祖親鸞聖人御誕生850年、立教開宗800年慶讃法要』記念事業の一環として昨年修理されました。〈若林工芸舎も修理に参加したんです!〉

阿弥陀堂門

”本願寺”といえば、「お西(にし)さん」と呼ばれる西本願寺さんも有名で、実は『本山へ行く!』其の一 で取り上げさせていただきました。 西本願寺編は下の記事をご覧ください。

いかがでしたでしょうか?充電期間中にもたくさんのニューフェイスが増え、ますます若林グループが発展するとともに『本山へ行く!』が長続きするように頑張りたいと思います。

工芸舎・F倉


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