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[日記]雪というより霙

積雪の予報が出ていたが、数時間前から雪というよりは霙(みぞれ)が降っている。

電車が止まって帰れなくなると悪いからと早退させてもらえた。しかし特にやることもなく、家に帰ったら昼寝をしてしまいそうなので近場の喫茶店でコーヒーを飲んでいる。

本当は新宿あたりで普段行けない昼公演のライブに行きたかったが(目当ても出ていたのでかなり見に行きたかったが)、それこそ電車が止まって帰れなくなったら元も子もないので早々に自宅最寄駅に向かった。

私は一応雪国に生まれ育った。
豪雪地帯ほどは積もらないが、例年足首くらいまでは雪が積もる。数年に一回、何かの気まぐれで1mを超えることもある。

子供の頃、寒い冬の晩に大きな雷が鳴ると母や祖母が「雪おろしだね」と言い、翌朝には地面が白い雪で厚く覆われていた。

上下のスキーウェアを着て、新雪に足跡をつけて、氷柱をもいで登校した。室外機の上のトタン屋根には大きな氷柱ができる。

昼休みには校庭で雪だるまを作ったり雪合戦をしたり、理科の授業では紙コップに水と雪と塩をひとつまみ入れて外に放置して凍らせる実験をしたような気がする。砂糖を混ぜてシャーベットのようにして食べたような気もする。

中庭にある池の水面に積もった雪が氷のように見えて、その上を歩こうとして見事に落ちたこともあった。みんなから笑われたがちゃんとそれが氷でないことも、乗ったら水の中に落ちることも知っていた。落ちたらバカにされることも呆れられることも、もしかしたら怒られるかもしれないことも分かっていた。それでもやってみたかった。

今でも痛い目にあうと分かっている上で何かをやりたくなる衝動に駆られることがあるので、人間というのは年をとっても本質的に変わらない。

濡れた服から体操着に着替えて、教室の石油ストーブで体を温めたのだと思うがこの辺りの記憶はあまりない。小学校低学年くらいの頃の話だったと思う。

石油ストーブは今もあるのだろうか。ストーブの周りの床には赤いテープでラインが引かれてあってそれ以上近づけないようになっていた。
黒くて太い鉄のパイプが天井まで繋がっていて、おそらく煙突になっていたのだと思う。
ストーブの上には加湿器代わりのヤカンが乗っていた。

下校時も氷柱をもいで家に持って帰って、冷凍庫でしばらく保存していた。
管理人が除雪してマンションの敷地内に一カ所にまとめた雪山は子供達の格好のおもちゃになる。ソリで滑ったり、穴を掘ってかまくらのようにしたり。
周りには雪だるまや雪うさぎがいくつか並ぶ。

夜、カーテンを開けると白い雪が光を反射して外がいつもより明るい。それが子供ながらに不思議だった。

校庭でスキーやスケートが出来るほどの雪はなかったが、それなりに冬を楽しんだ子供時代だったと思う。
私の母が小学生の頃はもっと降雪量が多く、2階の教室から雪の滑り台をすべって1階まで降りたらしい。祖母が子供の頃には馬がソリを引いていたらしい。

暇つぶしの為の日記でした。



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