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#4 送信取り消し禁止事件

2022年2月の出来事。
前回のコラボ事件から数日経過したときのお話。
連絡先をすべて消して、いつ彼に見られてもいいようなLINEの状態を保っていた頃。とにかく相手の不安要素を拭いたくて、何かあると逐一報告するようにしていた。

私はリモートワークということもあり、比較的自由な時間を作りやすい。
また彼も、勤務中ではあるもの、その音声配信アプリを聴きながら仕事をしていることが多かった。(今思えばおかしな話なのだが、一旦置いておく)
他者との交流もほぼなくなってしまった為、話し相手が欲しいなと思った私は、彼の目の届くところでの他者との交流を思いついた。
配信は、何となく嫌な思い出を彷彿させてしまいそうで、気が引けた。
なので、今でいう、Twitterのスペースのような場所で、枠を開いた。
(※ここでは仮にスペースとするが、録音機能等はなく、アーカイブは残らず、匿名でリスニングすることもできない仕様のもの)

「スペースで話してるよ。もし時間合いそうなら来てね。」
といった内容を彼に連絡しておいた。
普段、音声配信アプリのライブ配信を聴きながら仕事ができる人なんだから、スペースでも、自分は発言しなくても参加して聞いていたいかもしれないと思ったのだ。

しかし、いくら待っていてもメッセージは未読のまま。
時は過ぎ、スペース自体閉じることになった。
とにかく相手の不安要素になることは潰しておきたいと思った私は、なんとなく未読のままになっていたメッセージを送信取り消しした。
すると、即彼からメッセージが届いた。

「何で消した?」

この一言に、一気に身体中の血の気が引いた。
ずっと未読だったのに送信取り消しをした途端連絡が来たので驚いてしまったのと、この一言で、自分が怒られる流れを想像してしまい、この言葉自体を怖いと思ってしまったのが相まって、すぐに指が動かなかった。
3時間精神的に追い詰められた時間が蘇ってくる。
もうあんな思いはしたくない。なのに思うように指は動かない。

「お仕事忙しかったかな?」
「ごめんね」
「未読のままだったし、もう枠閉じちゃったから。」
「後からこのメッセージを見た時に、参加できなかったから寂しい思いをさせちゃうかなって思って消した」
といったような旨を必死になって送った。

「この返事を送ってくるまでの微妙な間は何?」
「いい訳を必死で考えているようにしか思えない。」
「何かやましいことがあるから消したんだろ?」
「男と話してたからか?だから言えないのか?」
「誰がいた?どんな話をした?」
「まさか、俺の事を誰かに話したりしてないよな?」
「名前すら出してないだろうな?」
「怒られるのが嫌な子供かよ。」
「ホントに自分が可愛いんだな。自分を守る為の嘘を吐く人間。」
「そんなやつが結婚したいだの子供が欲しいだの、ちゃんちゃらおかしい。」
「ガキがガキを産める訳がない。」
「成長しないな」
「この前で反省したと思ったのにこの様かよ。」
「口先だけで行動が伴わない。怒られないように嘘を吐く子供と一緒。」
「そもそも、俺が必死で働いてる時間に送る内容かよ。」
「お前ホント暇なんだなw」
「俺にとってどれだけ仕事が大切なのかわからないんだな。」
「隠し事するような人間が大嫌いだ。」
このような言葉を立て続けに送られ続けた。
前回同様、実際に話をさせて欲しいと電話をかけても出てはくれない。
私がどれだけ説明しようとしても、全てあげ足を取られるような状態。

私は…ただ不安にさせたくなかっただけ。
普段仕事しながらでもライブ配信を聴いているような人なんだから、私が誘った時間も、もしかしたら参加したいかもしれないって思ったから送っただけ。
それを、メッセージの送信取り消ししただけで、信用問題にまで発展しちゃうようなことだったんだろうか。
彼の名前も出してないし、聴かれてやましい事なんて一つもない。
ただ数人でワイワイ話していただけ。
隠し事なんて何もしていないのに、信じてもらえない。

…私は自分が可愛いからいい訳をしているの?
口先だけで行動が伴わないようなことしてるのかな…。
他者と関わろうとしたらこんなことになった。
じゃぁ…私が他者と関わることが彼を怒らせるようなことなら、もう二度とこんなことはしないと約束しよう。
今ある幸せを守りたいから、他に何もいらないよね。

でもどうして…?どうして他者と関わっちゃいけないの…?
どうして付き合っていることを明らかにしちゃダメなの…?
そんなに隠されなきゃいけないような存在なのかな、私。
彼から精神的に追い詰められて辛い。でも吐き出す場所もない。
1人で抱え込んで、解決していくことが大人になるってことなのかな?
…それが成長なのかな?

自分の中での自問自答を続けて、最終的に「もうスペースはしない」と彼と約束をすることでこの件は終着した。

この件を解決するのに丸2日ぐらいかかった。
その2日間、彼女の特典としていた通話は無し。
ブチギレ状態のはずなのに、平然と自分のライブ配信はしていて、ニコニコしている。他の人の枠にも顔を出して楽しそうにコメントしている。
その姿が余計に私の心を壊していった。

私が辛い時、彼は平気で笑っていられるんだなって。

彼をイラつかせている私が悪いだけ。
彼からしたら、きっと配信上でニコニコしているのは気分転換でしかない。
イライラしているからこそ、配信でストレス発散しているんだ。
癒しは私じゃないんだ…。
私って彼にとって本当に必要なのかな?
もう要らないんじゃないのかな。
…でも、離れられない。完全に依存している。
また彼に愛されたい。だったら私が変わればいい。

精神的に追い詰められたことで泣き続けて、気持ちがいっぱいになって、食事も喉を通らなくなり、心も身体もボロボロ。
その状態で得られた彼からの許しは、とても貴重で有難く感じていた。

ちなみに、この記事を書いていて思ったのだが、今も私がスペースを開けないのは、必要以上に他者と関わろうとしないのは、この時の記憶があるからかもしれない。

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