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あなたが働くべき日本語学校の選び方

4月期に向けて、日本語学校はもうそろそろコマ数(先生が担当する授業の時間数/1週間)が決まってくる頃でしょうか。Twitterでは急にコマ数が減ったというつぶやきも、ちらほら見られます。今から急いで学校を探さないと!と思っている先生は多いかもしれません。でも、ちょっとその前に、これを読んでもらえませんか。あなたの今後の役に立つかもしれません。

私は夫の転勤で引っ越しを繰り返してきました。そしてその都度、履歴書を書いて就活。日本語学校で専任または非常勤として働いてきました。今まで10校以上の日本語学校で働いてきました。いろんな学校を渡り歩いてきた私だからこそ、これから学校を探すという人に伝えたいことがあります。それは「働く日本語学校はよく選んだ方がいい」そして「途中でおかしいと思ったら、それを信じてください」ということ。ここからは、実際に私が経験した話です。今はこれらの学校の体質も変わっているかもしれません。むしろそう願っています。

ブラックな職場

A校(*名前とアルファベットは無関係です)

①クラスの学生数が20人で、毎日宿題がプリント7枚(か、もっと)。

その日に担当している先生が、学生20人×7枚=140枚の宿題を提出したかどうかの確認、記載、まるつけ、訂正までします(研修でやり方を細かく指導されました)。午前で授業は終わっていても、みな4時ぐらいまで残業していました。残業代は出ませんでした。

②進路指導はその日担当の非常勤がする

学生が職員室に相談に来ると、「今日の○○クラスの担当の先生〜!」と呼ばれます。非常勤だけど、学生の相談の相手をさせられ、しかも進路の相談(書類のチェックや、学校の調べ方など)までしました。これはおかしいんじゃないかと専任に訴えましたが「そういうことになっているから」と聞く耳を持ってくれませんでした。周りの非常勤も内心(そうよねぇ〜)と思っていたようですが、なにせ宿題のチェックや大量のプリントの準備に忙しくて、話す暇もない感じでした。ちなみにこれも残業代は出ません。自分の担当した日に学生が相談に来ないように祈るのみです。

ここは1学期(3ヶ月)で辞めました。

B校

③実習と称し、タダ働きをさせる

机上の研修が終わって、実習として実際のクラスに入って授業をすると説明を受けました。担任の先生もクラスに入る。教案を見てくれる。ここまではいいのですが、1学期(3ヶ月間)週1回、ずっと実習すると言われて驚きました。学生は授業料を払っているのに、研修生が3ヶ月間、1週間に1度、実習という名目で、ただで授業をする。その上、宿題や復習プリントも毎回作って学校に提出しなければいけないという。学生にとっても研修生(ちなみに私はその時点で10年以上のキャリアがありました)にとっても理不尽だと思ったので、辞退しました。

C校

④経営者がやばい

国で学校説明を受けた時に見た映像では「学校にスポーツ施設がある」「寮ももっときれいだった」というクレームが担当の非常勤に。非常勤に言っても仕方がないのに、なぜ非常勤に言うのかというと、事務所は毎日忙しい上にそういう苦情は「はい、そうですか〜」と聞いて流す。はぐらかす。専任はそんな説明があったことも知らない。そして経営者に問い詰めても、はぐらかされる。それ以外にもいろいろと・・あったようですが、これ以上ははっきり証拠もないし、憶測では書けませんが・・私は何か悪いことに加担しているような気がして怖かったです。


D校

⑤経営者がワンマン

経営者が変わり、前年度に入った非常勤が全員首になった。理由は学校のやり方にまだ染まっていないから? 一番現場の状況を知っている校長も専任も口出しができず、申し訳ないと謝られた。

⑥研修が強制

自己研鑽を奨励してくれる学校は多数ありましたが、研修が強制で、テーマも決まっていて、必ず半年に1回レポートを出すというのは初めてでした。勉強や研修はその人のやりたいことを、やりたい時にやる・・のがいいと思うんですけどね。ちなみにこれを経営者に訴えたのが、首の理由になったのかもしれません。

E校

⑥専任が大変

専任の先生は基本的に優しい人が多いです。「なんでも聞いてくださいね」と、親切に言ってくれるけど、いつも忙しそうで何も聞けない。それだけならまだいいのですが・・ちょっと精神的に病んでいると、見た目からわかる先生も・・。「大丈夫ですか?休んだ方がいいんじゃないですか」と非常勤に心配されていたその人は、翌年お辞めになりました。周りの専任の先生も忙しくて、その人が大変そうなのにフォローできずにいたようです・・。ちなみに今までの学校で、精神的な病気が理由でお辞めになった先生を4人知っています。私が具体的に知っている人だけで、4人。これは多いと思います。きっと他にもたくさんいると推測します。

F校

⑦業務委託という名の法逃れ

急に非常勤全員が業務委託になりました。最初は意味がよくわかりませんでした。説明があったのですが、経費が落ちるから余計な税金を払わなくても済むと言われ、そうかと思っていました。あとで他の人に聞いたら、対等な立場で契約を結ぶことになり、労働者として守られなくなるので、労働時間も、賃金も、解雇も、労働法の規制がなくなる。しかしその実、働き方自体は今までの非常勤と変わらない従属関係のままでした。いいところだけとって、法の規制を逃れている学校にも、自分の無知さ加減にも、腹が立ちました。

ホワイトな(普通の)職場の探し方

ここまで読むと、いい学校はないのか!!どうやってブラックじゃないところを探せというのか!!と思いますよね。はい。その通りです。私も同じように悩みました。もちろん普通の?いい学校もあります。ここからは(あくまで私が編み出した方法ですが)ブラックじゃないと思われる学校を探すためのアイディアです。

募集を見る時のチェック

①専任も非常勤も(大人数)募集している学校はちょっと・・

専任もいなくて非常勤もいない・・ここから考えられることは3つ。

1.専任も非常勤も辞めた(何か問題があって先生たちがたくさん辞めたんですかね・・)

2.新規校(新規にしても日本語教育振興協会認定の学校なら認定される前に専任講師は決まっているはず・・)

3.大量に学生を取った(計画性なく先に学生・・)

②頻繁に募集をしている学校はちょっと・・

よく募集をしているということは、入った先生がよく辞めていくのか・・

というわけで、たまにしか募集がでないところ、1人、2人しか募集していないところを狙い目として探しました。そして時給もそれなりに出しているところ。自信がある学校は募集要項も業務内容も待遇もきちんと書いてあるし、対応も早いし、丁寧です。


面接にいく時に

①学生の様子を見る

朝、授業開始前5分ぐらいに学校に行って、登校してくる学生の様子を見てみてください。楽しそうに入ってくる学生、笑顔で朝の挨拶をしている先生がいたらいいですよね。遅れてくる学生があまりにも多い、服がよれよれ、疲れた様子の学生が多い場合は・・規定の就労時間を超えて働いている学生がいるのかもしれません。留学ビザで働けるのは1日4時間です(休みの日などに、まとめて働くこともできますが)。遠目で見ただけでも分かるぐらいなら、学校や先生は当然それを知りつつ黙認している可能性もあります。

②学生の国別の構成を見る(ネットでも調べられますが、資料が古いこともあります)

国籍が一つに集中している学校だと・・入国管理局がその国の入国を厳しくしたらアウトです。今まで5クラスもあったのに、来学期は1クラス、それも5人だけ、なんていうこともありました。当然、非常勤はコマ数激減。

③職員室の雰囲気を見る

面接に行って、職員室を通ったり、他の先生に会ったりしますよね。「こんにちは」と挨拶した時にこちらをチラッと見るだけ、または顔もあげない先生ばかりの職場は要注意です。心に余裕が持てないほど仕事が忙しいのかもしれません。目を合わせて笑顔で挨拶をしてくれる先生が多い職場は、雰囲気もいいし、風通しもいいです。

私から言えるのは以上です。主観的な判断なので、間違っているかもしれないし、これを読んで気に触る人がいるかもしれません。私は現在、自分で事業を起こして自分のルールで働いているので、関係性はあまりないと思い、お伝えすることにしました。本来なら、疑問を感じたその時に労働基準局なりに訴えるべきだったのかもしれません。でもできませんでした。今後、同じように理不尽な思いをして働く人がいないことを願って、ここに書きました。

働く場所があればどこでもいい、贅沢は言えない。そうですね。私もそう思っていました。でも神経がすり減って、楽しく生きるはずだった人生も削られます。私はなんのために生きているのか?そうまで考えました。実際に神経を病んだ人も見ました。よく考えてください。あなたの人生は1度きりです。楽しく働ける職場を探してください。ブラックな学校で我慢しないでください。この記事に限っては、「今の時代、こんな学校はないよ」「いつの時代の話ですか」または「こんな記事必要ない」と猛烈に誰かに批判・反論されたいと思っています。


お悩み、セルフブランディングの相談など行っています。









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