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自己肯定感、低いですか?

「自己肯定感が低い」と言われ、悩んだ時期

「自己肯定感」とは、自分の存在を肯定的に受け止める感覚。「私はすごい!私ってラッキー!」なんて言ってる人は自己肯定感が高いのかなぁ、と思っていましたが、それはポジティブ思考、またはリフレーミング(別の見方)が上手な人。自己肯定感が高い人は、マイナスをプラスに捉えるのではなく、マイナスもそのまま否定せずに受け入れられるということのようです。

私は以前コーチングを受けた時に「自己肯定感が低い」と言われたことがありました。その時は日本語クラスの学生アンケートの結果に悩んでいた時期でした。「次は他の先生がいい」「居心地が悪い」と書かれ、落ち込んでいました。私にはキャリアもあり、成功体験もあったものだから、「これは生徒の個人的な恨みじゃないか」「ちょっと厳しく注意しただけで授業の評価を悪く書かれた」と思い込もうとしていました。プライベートレッスンでは「先生の授業がいいです」と評価され、続けてくれる生徒もいたので、尚更、自分の非を認めることができませんでした。しかし同じような評価が2学期、3学期と続くようになると不安になり、クヨクヨと悩むようになりました。そして心理学、自己啓発、コーチングなど、悩みから解放されたくて色々と試していた、そんな時期に言われた言葉でした。生徒に優しくしようと色々話しかけると今度は「うざい」「顔が近い」と書かれ、一つ一つの質問にも丁寧に対応しようとすると「間違いを笑っているようだ」と書かれ、私なりに努力していたけれど、悪く評価されるばかりでした。

周りには日本語学校を辞めて自分でオンラインレッスンを始める先生もいたので、「私も自分の授業が好きだと言ってくれる人だけを相手に教えたほうがいいのでは」と思い始めました。それが2020年1月29日のことです。

起業を思い立ち、行動

キャリア・コンサルタントの資格を持ち、すでに起業していた日本語教師に相談をし、カウンセリングを受け、そのままの勢いで起業しました。それが2020年1月31日です。思い立ってから起業まで、わずか3日。起業したと言っても「waka language laboratory 」という名前を決め、フェイスブックのページやら、ツイッター、インスタなどSNSに載せただけです。それから足りないことを急ピッチで仕上げていきました。宣伝用の写真を撮りに行ったり、オンライン授業のやり方を習ったり、料金や振り込み方法、ルールを決めて書類を作ったり、ホームページを開設したり・・・やることは山のようにありましたが、全て自分で決めて、自分の好きなようにできることが楽しくて、あっという間でした。知り合いの生徒さんが入ってくださり、細々とですが、形になっていきました。

日本語学校の勤務、一つは契約解除

それまで掛け持ちで2校、日本語学校に勤めていましたが、コロナの影響で1校は契約解除されました。起業したのは本当にいいタイミング、いい判断だったと思いました。1校辞めても経済的には影響がないし、その学校の経営方針も合わないと感じていたし、気持ち的にも余裕を持って受け入れることができました。

因縁の学生アンケート

もう一つの学校は続けました。コロナ禍でも対応が素晴らしく、職場の環境も良かったからです。教育者としても経営者としても得るものが大きいと思いました。しかし、そこではあの私を苦しめる学生アンケートがあります。コロナ禍で3月初旬からオンライン授業に移行して最初の学期末のアンケート結果は五分五分、やはり生徒一人一人の対応について悪い評価がありましたが、以前ほどひどくはありませんでした。そして春学期、生徒の対応に対するマイナス評価がなくなりました。そして秋学期、対応についてプラスのコメントがありました。ここまでが長くて泣きそうになりました。自分でも生徒の反応が変わってきているという実感はありました。

学生アンケートと自己肯定感

学生に限らず、人は相手の意向に敏感です。よく思われたい、いい評価をされたいという下心を持ってする行動に対しては相手は警戒します。私の学生アンケートの評価がよくなったのは、そういう邪念が消えたからだと思います。起業するにあたり、自分で全て決めて、リスクも背負う覚悟をし、自分を信じてやるしかない道を進む中で、自分に集中していることに気がつきました。人の評価は揺れ動くし、社会や傾向を知るために情報を得るのは必要でも、最終的に自分の判断を軸にしなくては起業はできません。それは小さい会社でも大きい会社でも同じです。情報を集めるという点でマイナスも積極的に受け入れられるようになりました。経営にとってマイナスは伸びしろだからです。「これを改善したら、よくなる」と思うとクヨクヨしている場合ではありません。

自己肯定感は高くなった

今年の1月29日に「自己肯定感が低い」と判断された私ですが、約8ヶ月後の現在は、自分で言うのもなんですが自己肯定感はきっと高いんだろうと思います。何より悪い評価ばかりに目が向かなくなりました。いい評価も悪い評価もニュートラルに受け入れられるようになりました。マイナス評価で改善できるところは改善し、プラス評価は自分の強みとして磨く、今はそう受け取ります。クヨクヨ思い悩むことも(あまり)なくなりました。

Nobody’s perfect

自分にできないことは、他にできる人に頼めばいいと思うようにもなりました。無理に全部やらなくても、自分が得意で強みとなる部分を発揮すればいいと思います。ある時、友人が「会社もICT化してどんどんリモートワークとかオンライン会議とかやるようになったけれど、私は全然ついていけなくて、いつも若い社員に聞いている。彼らにとってはお荷物だと思う」と悩んでいました。私はこう考えます。確かに年上の世代はITに慣れなくて若い世代よりもたつくし、習得も遅いだろう。でも社内にITが強い人ばかりいても仕事は回らない。彼女は取引先と営業マンの間に立って、交渉するのが得意だ。周りの若い人はITに詳しいけれどコミュニケーションを取るのが苦手な人が多い。それならITは若い人が、交渉は彼女が、お互い得意な分野を教えたり、足りないところを補ったりすればいいんじゃない?と。足りないところもあって当然であり、それに落ち込むことはないのです。



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