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この人と合わないなと思った時に

ある台湾人の生徒さんが仕事でヨーロッパに引っ越ししました。しばらくして日本語オンラインレッスンも再スタートしたのですが、どうもお疲れの様子。聞くと、ストレートに物を言うクライアントに戸惑い、きつい言い方をされると精神的に疲弊してしまうというのです。旦那さんは現地の人なので、そんな時どうしたらいいか相談したら「神経が弱いよ、もっと強い気持ちでいないと。この国にはそんな人がたくさんいる」と言われたそうです。彼女は「自分はもっと強くならないといけない!」と思って無理に頑張ろうとして、余計疲れてしまっていたんですね。

本を読むレッスンで自分のあり方を学ぶ

彼女とのレッスンでは『君たちはどう生きるか』(著者:吉野源三郎。(株)マガジンハウス発行)という本を一緒に読んでいます。彼女は「人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ」(p63・1行目)の部分の意味がわからないと言っていました。「魂で」とはどういうことか、どうやってそれが立派かどうか判断できるのか、そしてどうやって選んだものが正しいと分かるのかと質問しました。私はすぐその後にある文を引用しました。「君がいいと判断したことをやってゆくときにも、いつでも、君の胸から湧き出てくる生き生きとした感情に貫かれていなくてはいけない」(p63・5行目)これがヒントになるのではないかと。

生き生きとした感情、言い換えると充実感のようなもの、それをしている時はきっとそんな感情になるんです。正しいと魂が感じている証拠がそれです。

彼女の答え

もう一度、戻ります。あなたは厳しい言い方をするクライアントに傷ついていた。そして、旦那さんから「強くないといけない」と言われて、無理に強くなろうとしていた。ここで、質問ですが、強くなることはあなたにとって正しくて、立派だと思うことなのでしょうか・・・彼女の答えはNOでした。

彼女はまた今度、例のきつい言い方をするクライアントと話すことがあったら、「いやだ」と口に出さないけれど、傷ついているという表情はするだろうと言って笑って言いました。

それぞれに正しいものが違う

人の性格、感じ方はそれぞれ違います。なのに無理やり相手に合わせようとすると疲れます。自分が正しいと思ったことをすればいいのです。もしそれで衝突が起きたとしても・・あなたがあなたとして生きるためには仕方がないことなのです。自分が間違っていたと思ったら、その時に謝って、軌道修正すればいい。相手に合わせて、自分に嘘をついて生きていると、神経は疲れて、生き生きとした魂はどんどん削れていきます。

目指すのは、アサーティブなコミュニケーション

アサーティブとは、相手にも配慮した自己主張。アサーティブなコミュニケーションとは「あなたは正しい。私も正しい。意見が食い違っているのは価値観の相違。歩み寄るために話し合っていきましょう」というコミュニケーションです。うつ病の人のための認知行動療法でも、きつい言い方をされても自分も間違っていないと主張できるようにする練習として取り入れられています。

あなたはあなたが考える正しいことを主張してもいい。そして相手の意見も否定しない。そんなコミュニケーションの仕方が今後のスタンダードになるのではないかと思います。

*傾聴を行っています。悩んでいて一人で解決するのが難しいという方は、どうぞ。

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