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えもみ100%

2人目を出産し
私は地元に戻ってきた

最近ペーパードライバーを卒業し
車に乗るようになった

子供2人を連れて公園に行った帰り道
後部座席からは2つの寝息が聞こえてくる

しばらくドライブすることにしよう

とはいえ、まだ運転に自信のない私は
なるべく車通りの少ないところへ向かう

すると、
昔好きだった男性に
連れてきてもらった場所に着いた

当時、高校生だった私と
25歳だったその男性は
付き合うことはなかったものの
よくドライブに連れていってもらった


今思えば軽くアウトである


その時は
同級生の男の子とは絶対できないドライブデートに
全てお任せで毎回素敵なカフェに連れて行ってもらえるデートに
お財布を持っていく必要のないデートに
心躍らせていた記憶がある

しかし、29歳になり
車を運転するようになり
今になって考えると

当時はとても遠くまで連れて行ってもらっていたと思っていた場所は
実家から車で15分ほどの場所で
車を運転するようになって数週間の私でさえ
いつでも簡単に来れるような場所で
そんな私の後ろには
2人の可愛い娘が眠っている

私は大人になったんだなと感じる

何を話して良いのか分からず
座っているだけでも緊張していたあの人の助手席の感覚を
よく流れていた宇多田ヒカルの歌を
今でも覚えている

そんな彼も、
今は父親になっている

去年あたりだろうか
共通の知人に彼の写真を見せてもらったことがある

変わらずかっこよかった









と思いたかった

いや、悪い訳ではない
私はその人の容姿を好きになったのではない

でも
思い出は思い出だから美しい


そう
当時、7歳年上の彼をかっこいいと思っていたが
私が29歳になれば
彼は36歳になっているわけで
私は当時の彼の年齢をゆうに超えている

年上フィルターでかっこよく見えていたものを
今の私は全て手に入れた

ありがとう素敵な思い出たち
ありがとう年上の彼

彼の奥さんが妊娠した時、
私に
「お前が俺の子供産んでくれても良かったんだけどね」
と言ったことを忘れていない

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