寝違えからの頚椎狭窄症、飛んでモロッコへ
久しぶりに成澤シェフ親子と酒を飲んだ。定期的にお互いのインプットを確認し合うのだが、今回はうちのSUSHIMAFIAのスペシャルコースで写楽と黒木本店の焼酎も手伝い、いつものようにぶっ通してで長い時間色々な話をする。おそらく4月末からの禁酒以来、ここまで酒を飲んだことはなかっただろう。僕は旅が多いので、寝るときの枕はバスタオルをロールアップしたものを首の下にして寝るということにしている。世界中どこにいってもタオルがないホテルはないからだ。頚椎狭窄症という症状にある種の職業病みたいなものに悩まされている僕は、常にこの方法で首の負担を軽減している。今回いつもよりも酒をあおった結果、そのロールアップタオル作戦をすっかり忘れてフラットなタオルのままで就寝してしまったのだ。
翌朝から激痛が走り、2日後には親指と人差し指に電気が走るような感覚になる。C6-C7に圧迫されているということがすぐに分かる。やってしまった・・・と思っても、すでに遅しである。マラケシュまでの旅はゆうに20時間を超える、痛みに悶えながら歩行距離が長いシャルル・ド・ゴール空港を必死に移動する。痛みに強い僕も今回の痛みには耐えられない、苦悶の顔を浮かべながら右手を宙にあげているものだから、どこにいっても店員が「あれ、自分を呼んでいる?」みたいな顔をして同業者的にもとても調子が悪い。
マラケシュに到着すると痛みは倍増し、イベントへの参加も危ぶまれそうだったので、シンガポールの主治医にいる主治医に連絡してプレガバリンの頓服をすすめてもらう、処方薬なのでもちろん街のファーマーシーには存在せずにホテルのマネジメント経由で医者を手配してもらい、念願の薬が到着した。即効性があるわけではないが、痛みに悶絶しながら3日目。ようやくキーボードをタッチできるようになってきた。ついこの間、人工椎間板手術をしたばかりの友人と話て、一番ベストなのは人工椎間板を入れることと勧められる。明日帰国してから、また色々なリサーチが必要になりそうだ。半年間のトレーニングで首の調子も最高だったのに、酒をあおって首を寝違えるという、ありがちなヒューマンエラーでいつもとは違う時間軸で海外ツアーを回るのであった。