見出し画像

冷製タッカンマリ・レシピ

20年ぶりぐらいに圧力鍋を購入した。場所も取るし、圧力を入れる料理がそこまで好きじゃなかったということもある。子供が生まれるにあたって部屋の大掃除をしている中で鍋を一新しようと思ったついでだった。この数年は、既知の経験値みたいなものをぶっ壊そう、というスタンスで生きている。やってきたのは大型の圧力鍋だ。「やる」と決めたら徹底的に使い倒すという性格だ。この数週間はありとあらゆるものに圧力をかけてきた。圧力鍋のいいところは放置できることだ、その間に他の仕込みだったり、仕事ができたりする。良くないところは、意外に時間がかかるということと、柔らかくはなるが味が染み込むわけではないというところだろうか。

仕事をしてから帰ってくると大体深夜だ。そこから生産者からやってきた3.5キロの丸鶏を丁寧に拭いて、水1リットル、塩少々、青ネギ2本、生姜30g。蓋をしてから圧をかけていく。蒸気が出始めたら弱火で、20分前後。日を止めてからそのまま翌朝まで放置だ。に取り出して、スープに塩をあててを飲む。解体した丸鶏は、丼にいれてラップをしてから冷蔵庫で保管する。ちょうど韓国のテレビの密着があった。好きな韓国料理は?と聞かれて、僕はタッカンマリと答えた。一羽をまるごと使って、炊くこの料理はなんとも言えない素朴が感じがいい。つけダレに酸味が効いてるのがいい。今日の東京もとにかく暑かった。ふと冷蔵庫をあけると、圧力で仕上げた解体された丸鶏が残っていた。ふと思いついて、タッカンマリのタレを作ることにした。

醤油100ml
米酢 30ml
砂糖    15g
一味唐辛子/マスタード お好みで

平和クラフトの高木さんから送られてきたサンプルのビールをプシュっとあけてから、そのタレを右手の小指でなめてみる。旨い。野菜室にあった白ネギの余りももうこの際どうでもいい。冷蔵庫で冷やされた冷たい丸鶏をメリメリと折って、肉を引き切ってから、つけダレにダイブさせる。鳥についていた脂がつけダレに浮かんで、真っ白な島を作る。そんなことどうでもいいのだ、俺は腹が減っているのだ。そして、本能の赴くままにむしゃぶりつく。これが実に旨い。新しい家シグネチャー、冷製タッカンマリの誕生だ。こういういい地鶏になればなるほど、圧力をかけたぐらいがちょうどいい筋繊維の壊れ方をする、そして冷やすことで肉質に深みがます。思わず平和クラフトが進んでしまうんだなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?