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ジャパニーズウィスキーの未来

富山の若鶴酒造を訪れている。若鶴酒造の中にある三郎丸蒸留所が今回の訪問目的だ。WAGYUMAFIAのBARことTHE HIGHBALLSにも入れてあるMOON GLOWの最新作がとても良く、以前から訪れたいと思っていた蒸溜所だ。

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この蒸留所を再建させたのが、若鶴酒造取締役の稲垣貴彦さん。5年前まではヒューレット・パッカードに勤めていた彼が、海外の蒸溜所を周り見聞を深め、そしてクラウドファンディングで資金を募りボロボロに朽ちていた建物を、モダンな設備が整ったウィスキー蒸留所へと作り上げた。何よりも感心するのは、梵鐘製造で栄えた高岡の会社と組み、世界初のスチルポットを製造してしまったことだ。世界的に有名なウィスキー雑誌の表紙にもなった。

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本人が目指すウィスキーはアードベッグの74年のウィスキーの味だという。アイラからの輸入したピートを使って、ピーテッドにこだわり続けたウィスキーづくりをしている。ちょうどアイラ島の訪問をしてきた僕にとっても胸が躍る話だ。

彼から面白い話を聞いた。つい先日までは8箇所に減少した国内のウィスキー蒸溜所が、なんとこの5年間で34箇所まで増えている。国内のほぼ主要な蒸溜所をまわったという稲垣貴彦さん。ウィスキーのニーズは世界的にみても伸びており、そしてジャパニーズウィスキーも彼のような新しい作り手が増えてきており、とても楽しみだ。

今は大手蒸溜メーカーの銘柄である、山崎や余市などが世界的にみても有名だが、イチローズモルトのように近い将来外国人のウィスキーラバーから、ジャパニーズウィスキーの知られざるブランドを習う日も近い気がする。

彼と意見交換した中で僕も同感なのが、海外では当たり前の原酒交換ができる制度を作るべきだということだ。これはサントリーの名誉ブレンダーでもある輿水精一もおっしゃっていたことだが、サントリーとニッカのウィスキーを合わせたらきっと面白いものが作れる。マッカランの原酒はファイナルドレッシングと呼び、最後に少し混ぜるとブレンデッドでも品が出る香りに仕上がるとのこと。

日本酒でもブレンドが始まった。僕はこの原酒交換によって、自社の原酒だけではウィスキーが作れない蒸溜所にも光を当てるものだと思うし、原酒の交換ととともに、情報の交換もなされ、そしてもっと全体の技術革新のスピードアップも見込めると思う。

今年はスコットランドからも招待され、WAGYUMAFIAとしてウィスキーのイベントを彼の地で行うことになっている。その時に多くの新しいジャパニーズウィスキーを紹介できるように、引き続き蒸溜所巡りをしていきたいと思う。

私の友人の方は三郎丸蒸溜所のオールラインナップが飲めるので、ぜひこの機会にテイスティングしていただき、この新しい稲垣さんの取り組みを応援していただきたいと思う。



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