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中東で放たれた800回の「いってらっしゃい」

人生でここまでいってらっしゃいを言う日が来るとは思わなかった。そうヨルダンでの食の祭典である。用意した200個のサンドウィッチはいつものように4等分されて、800個。ひとつひとつを丁寧にゲストに配っていく、その時に心の底からいってらっしゃいを伝える。3時間半に渡るシャウトは、時間経過とともに覚醒していくかの如く、大きくなっていく。人生やり切ることが重要、声が枯れてきてもやり切ること。カメラを構えて、笑顔で受け取っていく、生まれて始めて和牛のカツサンドを食べる人々、僕がやりたかった世界はまさにこれだ。

思えば遠いところに来た、中東での僕らの人気は高まり、今回も常に行列が絶えなかった。歩けば写真を撮らせて欲しいと言われる、僕はいつのときも真剣にポージングをしていってらっしゃいをする。まだ全く無名だった頃に撮った写真を、8年ぶりに海外の方に見せてもらってからというものの、今撮った写真が長い将来もその人の携帯の中に存在していることを知っている。だから僕にとってはほんの一瞬だけど真剣に対応するようにしている。

サンドを配り終えたら、うちわと名刺を配って、COJのコーヒーの説明をして飲んでもらう。プライベートディナーを現地シェフとコラボで担当しないか?との要望を頂いていたが、今回は敢えてブースでカツサンドを振る舞わせて欲しいとお願いした。その方が多くの人達に触れることが出来るからだ。ブースも勝手に色々と改変していただき、ステージを作ってもらった。小さな小さなステージ、昔コペンハーゲンのフィシュケバーンの軒先でやらせてもらったときのことを思い出す。

多くのシェフたちがやってきてくれて、カツサンドを美味しそうに食べてくれる。何が正解かは全く分からないが、僕らは今日世界中で一番和牛のカツサンドをサーブした人たちであるのは紛れもない事実だ。ここからどういう確変が起きるのかが楽しみだ。原点に立ち返るそんな貴重な体験をいつもこの国から頂く。いつの間にか本当に遠い存在だった中東がものすごくホームになり、少しづつだがアラビア語での受け答えが出来るようになってきている自分がいる。

もっともっと世界に触れていきたい、WAGYUMAFIAとともに。


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