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Erewhonという最近お気に入りのブティックスーパー

遠い昔にWhole Foodsに出会ったときの衝撃は忘れられない、そこにTrader Joe'sがあって、そのちょっと前はニューヨークのDean & DeLuca にもその感覚を覚えたっけ。Whole Foodsがamazonに買収されて、Dean & DeLucaも旗艦店がなくなり、そしてコロナにぶち当たりすっかりアメリカのブティック系スーパーの存在を忘れつつあったが。

この数年、Erewhonという洗練された高級スーパーが展開されていて、このブランドが、全ての分野において抜きに出ているからこの国の進化スピードは楽しい。アメリカのブティック系スーパーの循環サイクルはおそらく15年ぐらいなんだろうなぁ。CPG(Consumer packaged goods)サービスカテゴリーにおいてErewhonはビジネス的にも抜きに出ている。2019年にForbesのリポートによると1平方フィートあたり2500ドルの売上を記録して、同じCPG分野の店舗に比べると4倍の記録のセールスだ。それもそのはずだ、とにかく楽しいのだ。昔、Whole FoodsやTrader Joe'sに出会ったときの感動ってこんな感じだったんだろうなぁっと、スーパー好きの僕にとってはたまらない時間だ。

とにかくプロダクトのキューレーションがいい。東海岸で見つけた小さなピクルスメーカーのプロダクトがあったりする。店舗数が少ないために、大型店舗チェーンは対応するのが無理な小規模メーカーも商品を直接Fedexでも送れたりする。とにかく高い店と評される、アボカドも8ドルして、ブーケも40ドルする。それでもこの店の素晴らしいところは、この店で買うこと行為自体が体験価値に組み込まれていることだろう。Erewhonは「コミュニティの創造を掲げる」ついこの間のLA TIMESの記事によるとErewhonが出会いの場所としてのポジションを確立しつつあるというのだ。ここに来ている人は健康志向の高い人、8ドルのアボカドを変える意識系たちとマッチングできるらしい。

Pick Up on Aisle 6! How an Overpriced Supermarket Became L.A.’s Hottest Hook Up Spot

2011年に食が好きな投資家夫婦に買われてから、建築事務所とともにこのブランドをよりヒッピーな感じに作り上げてきた。店舗数を伸ばしていた2020年にちょうどコロナにぶちあたり、家中心での宅配生活にほとんどのロサンジェルスの人々も変わったのだが、この数ヶ月でまたErewhonでの体験は戻ってきたようだ。店内は活気立ち、僕はスーパーにいることを忘れてゆっくりと商品のデザインとキューレーションしている内容を眺めていった。僕にとって海外のスーパーは海外で美術館に行く感覚と少し似ていて、とにかく吸収するものが多い。何を使っているかという食材への徹底的なこだわり、そしてデザイン、最後は体験。この3つが金揃えらているからこそ、この店は楽しい。なんとなくこの店で買ったら、幸せになりそう。そういう気持ちを醸成できるからこそ、アボカドが8ドルで売れるのである。

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