眠れぬゲームのショショーニ族

ノノンガヘイ?
…何だったんでしょうねあのぶっ壊れ性能。

cilivizationというゲームがあります

シド・マイヤーという人が考えた罪深いゲームです。
架空の惑星で文明をシミュレートして世界征服したり宇宙船を飛ばしたり蛮族にジーパンを履かせたりするとゲームクリアになるのですがこれが殺人的に面白く、数多の人々から無限に時間を吸い尽くしてきました。
今回の件はそんなゲームの五作目に関するお話。

ショショーニ族とcivilization5

civilization略してcivは世界的に人気があり、それ故に世界各地の文明や地域や国家の参戦が待ち望まれているシリーズでもあります。スパロボみたいなものだと思って頂ければオッケーです。有名所だけでもゲルマン族、満州、メディア、フランドル、ボヘミア、メキシコ、マレーシア、カリブ辺りなどまだまだ参戦待ちで渋滞してます。
そんなシリーズの中で、既に参戦しているイロコイ、ラコタ・スー族というかシッティング・ブルに続いてアメリカ先住民で三番目に参戦したのがショショーニ族でした。
…率直に言います。日本に限らずアメリカ以外の地域でも「なんで?!」、あるいは「誰?!」という反応が殆どだった筈。大反乱を起こしたショーニー族とか、コマンチェ族のクアナ・パーカー(実はコマンチェ族はショショーニ族から分かれたりしていてciv5にもユニークユニットとして出てます)とか、クレイジーホースとか、もっと名が知られていそうな方々を差し置いてのショショーニ族。日本人で彼らの参戦を予想していたのは本当に0だったと断言できます。日本語のwikiが出来たのはciv5の後でしたし。スパロボにデトネイター・オーガンが出た時よりも更に驚かれた参戦でした。
まぁそれだけなら別に構わないんですよ、有名ではなくとも偉大な人々はいるから。ただ、civ5のショショーニは控えめに言ってぶっ壊れ性能でした。ドラクエで例えるとスライムが落とす宝箱の中身を変える事ができるし、しかもはがねのつるぎを選ぶ事が出来ちゃったりすると言えばその異常な破壊力が伝わると思います。しかもその後一切ナーフもされませんでした。
PCゲームはMODというシステムでかなり自由に内容を弄くる事が出来て、かつだいたいのMODはインフレ気味に調整されるのですが、このショショーニ族に関しては大体が公式のやりすぎをナーフする方向で調整されている位です。

もう一度書きます。何だったんでしょうねあのぶっ壊れ性能。

贔屓枠、と思われても不思議ではなかったのが

冷静に考えてみるとショショーニ族出身のスタッフが自分たちを世界最強にしてしまった、みたいな扱いをされてもおかしくはなかったです。しかし、それでもciv5においてあっさり存在を許された理由の一つがこの曲。

聞いての通り本当に素晴らしい曲なんですよ。
civシリーズの曲で一番手を選べと言われれば満場一致で4のテーマ曲baba yetuです。二番手は6のテーマ曲Sogno di Volareかな。その後の三番手に食い込んでてもおかしくない位の。
太陽の下で生きていたある人々が海外からの侵略者によって生まれた地を追われて、戦いと流浪の果てに得たものすら失い、それでもなお気高さを失わなかった…みたいな民族の物語が3分27秒に全部入っているんです。私はこの曲を聞けただけでもショショーニ族がcivシリーズに参戦して良かったと思いました。多分、似たような感想を抱いた方は他にもいるんじゃないかな。

一つのゲームから一つの民族を思う

と言う程真剣なものを覚えた訳ではないのですが。
何を思ってショショーニ族を参戦させて、何を思ってこんなぶっ壊れ性能にしたのかまでは分かりませんし。
しかし、結果として。きっと世界でも彼らショショーニ族の存在と彼らの音楽を知り、あるいは彼らの事を思った人々もいた筈です。人々の営みは忘れられるよりも誰かに記憶される方がいいに決まってるんですから、この意味ではあの調整は成功だったのでしょう。
ゲームバランスは大変な事になってしまいましたが。

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