『ギャスパール、結婚式へ行く』 〜フランス映画(MyFrenchFilmFestival)長編19番勝負 8/19〜

父親の再婚を祝うため地元に帰省することになったギャスパールは、「独り者であることを知られたくない」と、偶然知り合った女性ローラに恋人役を頼みこむ、不安げな彼女を連れてたどり着いた実家は、なんと動物園、そこには女好きで遊び人の父、実兄ギャスパールに本気で恋する妹など、いずれも変人揃いの家族が待ち受けていた。
悪いけどつまらない、きもちわるい、たいくつ。
オシャレでちょっぴり奇妙な、いわゆるファンタスティックな作風は一歩間違えばグロに陥る説をフルスイングで証明してしまっている点がまじでつらたん、この監督はどうやら自分なりのウェス・アンダーソンをやりたいらしく、電車内のラブシーンは『ダージリン急行』を、兄に恋する妹という設定は『ロイヤル・テネンバウムズ』を、子供時代のギャスパールが行ったくだらない発明の数々は『天才マックスの世界』を、それぞれ意識していると思しいものの、あの病的に考え抜かれた画作り、絶妙のタイミングで切り替わるカット、ベタなくせに痺れる選曲センス、そしてなにより、キュートなキャラ性と血の通った人間の息づかいを同時に存在させる深い洞察力、ウェスの映画を傑作たらしめているこれらすべての要素が、ここにはまったく見受けられない!(唯一、90年代はエヴァもいいけどこっちだよね〜なカルトアニメ『serial experiments lain』のレインのように熊の毛皮をかぶったヤンデレ妹だけは最高だが、せっかくのヌードもこの出来では脱ぎ損!んもう、ばかばか!)

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

野生動物の保護にご協力をお願いします!当方、のらです。