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言葉にしようとする姿勢。理解しようとする姿勢。

こんにちは!このところ一気に秋が深まってきましたね。
寒くなり、ますます朝が苦手になっている岩澤が今週のnoteを担当します。


さて、前回より「聴かせて!みんなのわがこと」というインタビュー企画がスタートしました。
第1回目は、【一般社団法人もも】さんへのインタビューです。
まだ読んでないよーという方はぜひぜひご覧ください!あたたかくて、時に熱い、お二人の空気感が伝わればうれしいです。

私は今回、取材段階から関わらせてもらったのですが、取材を通じてすごいなと思ったのは、お二人が持つ伝える力です。
活動の内容やそこに至るまでの経緯・想いが素晴らしいのはもちろんなのですが、事実やストーリーを的確に言葉にするのがとても上手だな、と感じたのです。
ちなみに、私たちは取材自体が初挑戦だったので、もし良い記事だなと思っていただけたのであれば、それはお二人の話術の巧みさによるところでしょう。

きっとこれまでにも、考えていることを言葉にしたり、誰かと議論したり、紙に書き出してみたり、そういうことを何度も何度も重ねてきたんだろうなーというのがひしひしと感じ取れました。
巷にあふれる文章の中には、「なんとも言えない気持ちです」とか「すごすぎて語彙力死んだわ」みたいな表現もよく見かけるのですが、そういう表現に逃げるのではなく、たくさん考えて言葉を尽くして語っている姿が、とても印象的でした。

もちろん「言葉にならない思い」とか「言葉を超えた感情」というのは存在するし、そういう思いを共有できたらそれは何物にも代えがたい素晴らしい体験だと思います。
それでもやっぱり、不特定多数の人になるべく正確に伝えたい場面では、「いかに言語化できるか」がすごく大切なスキルになってくるんだなと改めて気づかされました。


じゃあ、そうやって生み出された大切な言葉たちを、私たちはどのように受け取ればいいんだろう…?

話は変わりますが、このところ私がはまっているのが、NHKの朝ドラ「おかえりモネ」です。

詳細なあらすじは割愛しますが、主人公の出身地が宮城県気仙沼市であることから、東日本大震災が物語の一つのキーになっています。
どこに住むか、何を仕事にするか、誰と生きるか、自分に何ができるのか。
苦しい過去を乗り越えようとする人も、乗り越えられない人も、そうした過去がない人も、それでいいんだよと肯定するような優しい人たちがたくさん登場します。
一つひとつのシーンがとても繊細に描かれていて、名セリフも本当にたくさんあったのですが、ここでご紹介したいのはこちら。

「あなたの痛みは僕にはわかりません。でも、わかりたいと思っています」

震災の痛みを抱えた主人公に対して、震災を経験していない恋人がかけた言葉です。
「僕にはわかりません」が前提の関係性って、めちゃくちゃ素敵だと思いませんか?

この対比となるのが、主人公が幼馴染から言われたこちらのセリフ。

「(俺の気持ち、)わかってんでしょ?」

「言わなくてもわかる」関係性は確かにすごいことだけど、一方的というか暴力的だなと私は思います。
どんなに親しく身近な人に対しても、絶対にわかった気にならない。どこまでいっても「わからない」のが当然で、それでも理解しようとし続ける。そうしたスタンスでいたいなと思わされました。


伝え手の、言葉にしようとする姿勢。
受け手の、理解しようとする姿勢。

どちらも根底に相手へのリスペクトがあってこそですよね。
そんなのコミュニケーションの基本でしょ、と言われそうですが、自分は本当にできてるかな?と常に問い続けていたいなぁと思います。


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