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【TRPG】cyberpunk 2.0.2.0.プレイ日記 その③

前回の記事はこちら

基本はRP視点だけで書いていきます。
ただ、面白かったメタ視点のやり取りがあれば、以下の表記で記載します。

PL:プレイヤー(筆者)がメタ発言をする時
RF:レフリー(知人)
《》:技能名

ー あらすじ

駆け出しのソロ「ダグ」は、ナイトシティの汚い路地裏で絶滅したはずの鳥の鳴き声がを聞く。
金の匂いを嗅ぎつけたダグは、鳴き声が聞こえたボロアパートを調査する。

一階にいた大家は嫌な奴だが、部屋に鳥はいなかった。

ー 階段を上がって

ダグはウェアマンで音楽を聴きながら、ポテトチップスを頬張り、アパートの側面に取り付けられた鉄製の階段を上って行った。
踊り場に面した所に2階の部屋の入り口はあった。
しかし、ドアが外され、吹き晒しになった部屋には人間はおろか生き物の気配すらなかった。

ダグがソロとしてのその感覚を研ぎ澄ます必要もなく、”危険はない”と判断した。

しかし、念のためウェアマンの再生を切り、慎重な足取りで屋内に入っていく。

埃まみれの室内には、危険なブースターギャングやドラッグ中毒者すら立ち入っていないようだ。
「人通りもないボロアパートの2階、阿片窟にすれば利用料だけでも十分な収入になるな」
ダグはそう思ったが、ここはナイトシティだ。一度影に身を落とせば、もう光の下を歩くことはできない。

中米戦争の帰還兵が路地裏のボロアパートで守っているのは、微かな光でも差し込む、この部屋のような空間なのかもしれない。

すると、先ほどまで止んでいた鳥の囀りがまた聞こえ始めた。距離までは測れないが上からするのは確かだ。

ダグは埃に足跡を残しながら裏庭に面した窓に近づいた。

PL「窓から外に出て登ってもいいですか?」

RF「ここからならいいですよ」

PL「やったー!じゃあ、《運動》で振りますね。この技能に8(※)も振ってるんですよ」

※オリンピック予選出場選手レベル

RF「えぇ…(困惑)」

階下は工事用のシートで覆われて立ち入れないが、ここからなら上に登れそうだ。

ダグはその体格に似合わず、とても素早い。器用に外壁の凹凸を掴み、ボロアパートを登攀していく。
2メートル弱を登ると、3階の窓縁に手がかかった。

RF「…窓には、保安用機器としてレーザーセンサ装置が檻のように設置されており、覗くことはできても中には入れません」

PL「ダグは不器用だから《保安機器解除》は出来なさそうだ。大人しく覗くだけにします」

RF「はい」

窓から3階の部屋を覗き込むと、薄暗い部屋の中をパソコン画面の光だけが照らしていた。部屋の中に人気はない。
周囲には様々な電子機器が置かれている。机の上にはブレインダンス用のゴーグルが置かれているのも見えた。

ダグ「なるほど、話が見えてきた。」

レーザー越しに見えた景色から、ダグは一つの結論を導き出した。

ダグ(こいつはブレインダンスでバーチャルデトックスにハマっていた。そして、ある日『大自然の中で鳥と戯れるBD』を再生したまんま外出しちまったって訳だ)

ダグ(本物の鳥なら、もしかしたら何て思ったが。そんな上手い話ある訳ないよな)

「ナイトシティにヤラレちまった人間が逃げ込むのがBDなのさ」
ダグ=アイリッシュ

ダグは窓の縁から手を離し、二階の窓から屋内へ戻った。

ダグ(念のためだ、4階の様子だけ見て帰ろう)

2階の部屋を出て、駆け足気味に階段を上った。

途中、3階の部屋のドア前を通ったが、そのドアには明らかに借主が自分で設置した電子錠が備えられていた。
電子錠は4桁の暗証番号を入力するタイプで、無理やり開けようにも鋼鉄で出来たそれを破壊するには大きな音が出てしまうだろう。

ダグ(種は分かったんだ。そこまでする必要はない)

4階に辿り着いた、ここも踊り場に面した所にドアがある。
そして、ドア越しでも分かる。

「この部屋には人がいる」

ダグは、雰囲気をキメてドアをノックした。

部屋の中から慌てたような軽い足音が聞こえて、ドアが開く。
ダグはすかさずドアに手をかけ、足を隙間に挟み込んだ。

すると、彼が顔を上げるまでもなく、ダグの鳩尾くらいの位置に”綺麗なブロンドヘア”と、こちらを見上げる”大きな青い瞳”があった。

頬紅は白い肌には明るすぎるくらい塗られているが、色素の薄いスラっと伸びたまつ毛と青い瞳から目を離すことができない。
髪からは、ホテルなんかに置いてあるコンディショナーの匂いがする。

???「あら?愛しのマイクかと思ったけどそうじゃないのね」

ダグ「…」

???「貴方は…誰?」

「ドアが開いたと思ったら、こりゃびっくり。こんな美人見た事なかったね」
ダグ=アイリッシュ


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今回はここまで。

人生、清く美しいものを期待してみると、実はそうでもなかったなんて事って良くありますよね。
ダグは金目当てで”それ”を探していましたが、覗き見た部屋でナイトシティに”それ”は無い事を悟ります。

といっても、ダグは「見つかればラッキー(臨時収入)」くらいの気持ちで鳥探しをしています。
ダグを含めたナイトシティの住民は、”清く正しく美しいモノ”は生きていく上で「あまり役に立たない」事を知っています。

そういう意味では、彼達は真相(グッドエンディング)を求めるPLよりも遥かに現実的です。

PLとしては”事の真相”が気になるものですが、キャラクターのスタンスを曲げてまで真実を追求する気持ちにはなれません。

ただ、清く美しいモノを信じていないからこそ「夢に見てしまう」「あって欲しいと願ってしまう」気持ちは大切にプレイしていきます。

次回もお楽しみに。

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