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茶畑にススキを敷く

茶草場農法というものがある。

茶ノ海の茶畑では、一昨年よりススキを敷き込み、昨年は栗の木の落ち葉を敷き込んでおり、そして今回はまたススキを敷き込んだ。

茶草場農法とは、茶園の畝間にススキやササを主とする刈敷きを行う伝統的農法のことである。この茶草によって、茶の味や香りが良くなると言われている。

※引用:静岡の茶草場農法


茶草場農法は静岡で特徴的な農法らしく、私も静岡に来て、川根で実際の実践者に会って初めて知った。

私のお茶作りに、絶対これ、というこだわりはない。

ただ、3年ほど使われていなかった茶畑でお茶を作るという強みを生かし、農薬は使わず、必要最低限の消毒しかせず、肥料も菜種粕や魚粉や有機質の肥料しか使っていない。その代わり、秋には落ち葉やススキなどをたっぷり敷き込むことにしている。自分の感覚なのだが、なんとなく、お茶を育むための土を大事にしたいなと思っており、それには茶草場農法というのは自分に合っている気がしている。


2021年12月31日、普段は仕事をしているものだから、年末真っ只中というか、もう2021年が終わる最後の日に、私はススキ畑にいた。今年も恒例の、てっちゃんのススキ畑。よし、刈るぞ!

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どうやってススキを刈るかだが、私の武器はこれ一つだ。

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この広大なススキ畑から、良さそうなススキを選んで刈っていく。最初は手当たり次第に刈っていたが、よく見たらススキじゃない草もススキのように生えているし、トゲトゲの背の低い木も生えている。油断ならない。

カマキリの卵にもいっぱい出会うし、ススキ畑は動物の通った後でバタバタ倒れながら道ができていたり、いろんな命の痕跡を発見する。

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ちなみにススキが生えている横は、こんなに綺麗な河原。1人なのは寂しいが、鳥の声や川の音を聞きながら作業ができるのは嬉しい。

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刈ったススキは、束にして麻紐で結んでいく。こうすると、麻紐も一緒に畑に敷き込めるので便利だ。ススキがない部分は、刈った部分。簡単ではないが、意外にスイスイ作業は進む。

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てっちゃんから軽トラも借りて、ススキを積み込み、畑に運ぶ。これで2回畑に運んだ。

久しぶりにミッションの車を運転したので、ドキドキした。

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畑に敷き込むとこんな感じ。


この日は約6時間かけてススキを刈り、畑に運び、敷き込んだ。それでも畑の半分くらいしか敷き込むことはできなかった。

あんなに量を刈ったのに・・・と思うと少し絶望する。が、ここで終わるわけにもいかない。

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年明けに、作業の続きを行なった。

この日は1人ではなく、仕事が休みのパートナーにお手伝いしてもらった。

彼は軽トラを持っているのだ。これが1番心強い。

そして1人だと無理な写真も撮ってくれるので有難い・・・

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この日は遅めに作業を始めたので、すぐに日が陰ってきてしまった。

最初の写真でお気づきの方もいるかもしれないが、ススキを刈っていた場所は、高い山に囲まれている。日が昇るのも、そして沈むのも早い。

茶畑にススキを敷き込んでいるところ↓↓

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周りにおうちがあるので、少しモザイクをかけさせてもらっているが、畑の広さとしては今写真で見えている分くらい。


結果として、この日もススキを敷き終わることができなかった。

あとススキ15束ほど・・・ゴールは見えているから、またお休みの日に。


だけど、2人だと作業効率がとても早い!この前6時間かかった作業を、今日は半分の3時間で終わらせることができた。彼がいない時は、他の人に軽トラを貸してもらうことになる。本当に周りに支えられながら私のお茶作りは進んでいく。

これも川根、ここだからできるお茶作りだなあと、改めて思う。






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