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憧れの羊飼いになった

タイトル通り、私は憧れの羊飼いになった。
とはいえ、自分がどうしようもなく羊が好きだった事は、実際に羊と暮らしはじめてから気づいた。

ウチは田舎に住んでいて庭が広い。
その上、2年前に野外でイベントをする為に隣の敷地(田んぼ1枚分)も借りたので、
夏の草刈り面積が膨大になってしまった。

今まで夫が一人で草刈りしてたんだけど、いよいよ私にも草刈り機を使ってくれないかな?という空気が漂いはじめた。
私はテキトーな性格なんで、刃物のついたエンジン式器具は、なんかやらかしそうだから極力使わないと心に決めている。
とは言え、一人では時間もかかるし大変そうだ。

夏のある日、夫が草刈りする姿を眺めていたら、羊がいたらいいだろなぁと、羊のいる風景が頭に浮かんだ。

羊!?アリだな!と、ワクワクした。

そして秋になり、縁を辿って2頭の羊がウチにやってきた。


一緒に暮らし始めて気づいたんだけど、
私はどうしようもなく羊が好きなんだ。理屈など抜きに、一緒にいたら心がギュッと嬉しくなる。

そういえば、私は幼い頃、羊のぬいぐるみを集めていて、自分くらい大きな羊や、抱っこできる小さいのまで、羊に囲まれながら寝るのが好きだった。

大人になったら、星の王子様のひつじグッズを集め、それらを愛でては説明つかぬ心がギュとする感じを味わっていた。


よく「毛刈りする為に飼ってるの?」と聞かれる。
もちろん毛刈りもするし、羊毛が副産物としてついてくる。それは全く目的ではない。

時間もお金も手間もかかるけど、
ただひつじと暮らすという事が、こんなにも自分の歓びになるなんてビックリしている。

ただ自分の心がよろこぶこと。
毎日それを味わう幸福。

効率や生産性だけを追い求める価値観に、私は長らく支配されてたんだなぁと、
歓びしかないものと対峙して気づいた。


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