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管理栄養士に、グルテンフリー推しはいない

 こんにちは。管理栄養士の和田です。
 一時流行ったグルテンフリーですが…。いろんな情報が錯綜しているので、改めて整理整頓しようと思います。

まず、グルテンフリーって?

 グルテンフリーとは、「グルテンを含まない」という意味ですよね。それではまず、グルテンとは何か、ご存知でしょうか?

 グルテンとは、小麦に含まれるタンパク質のことです。「グルテン=小麦粉」ではありません。小麦粉に含まれるグルテニンとグリアジンという2種類のタンパク質が絡み合ってできたもので、粘着性(ねばりけ)と弾性を備えた物質が、グルテンです。小麦粉に水を加えて圧力を加える(捏ねる)ことで、この2種類のタンパク質が結びついてグルテンとなります。

 グルテンは網目状の構造をしています。パンを作るときに「発酵」の工程がありますが、小麦粉に水を加えて捏ねた時に出来る、この網目状の物質がグルテンです。グルテンのおかげで、発酵した時に出る空気が外に漏れず、ふわふわのパンになるのです。

グルテン

 先述の通り、粘着性(ねばりけ)と弾性を備えた物質がグルテン。パンのモチっとした食感は、グルテンによるものです。

 同じ「小麦粉」を使った製品でも、サクッとしたクッキー、モチっとしたパンやうどん、と食感が全く違いますよね。それは、小麦粉にどれだけタンパク質が含まれているかによって変わります。タンパク質が含まれていなければ、グルテンを作ることはできないからです。

 何度も言いますが、タンパク質を多く含む小麦粉に、水を加えて捏ねた時にグルテンが多く出来て、もっちりとした食感になる。
 逆に、タンパク質が少ない小麦粉ではグルテンは形成されず、サクッと歯切れの良い食感になるのです。

グルテンの多い小麦粉、少ない小麦粉

 グルテンの量は、小麦粉に含まれるタンパク質の量、加える水の量、そしてどれほど捏ねるかによって変わります。
 ちなみに、小麦粉には「強力粉」「薄力粉」と種類があるのをご存知でしょうか?この小麦粉の種類は、実はタンパク質の含有量によって分かれているのです。

タンパク質が多いものを、「強力粉」
少ないものが、「薄力粉」
その中間が、「中力粉」です。

 良く捏ねてグルテンを形成する必要があるパンには、タンパク質の多い「強力粉」を。クッキーなど、サクッと食べたい、あまり捏ねないものは「薄力粉」を使います。つまりタンパク質の少ない薄力粉は、グルテンの含有量も少ないのです。ちなみに、中力粉はうどんなどに使われています。

グルテンフリーにすると痩せるのか?

 グルテンフリーを意識して、小麦粉を減らし始めると、菓子パンやケーキを食べなくなりますよね。(ケーキは薄力粉を使うので、グルテンは少ないですが…)
 それで摂取エネルギー量、摂取カロリーが減って痩せるんでしょうね。グルテンフリーによる直接的なダイエット効果や、脂肪燃焼効果はありません。

 みなさんご存知でしたか?「グルテンフリーを意識しているからクッキーを食べない」という方をお見かけすると、なんとも言えない気持ちになる管理栄養士の和田でした。否定はしませんが、それでストレスを溜めるくらいなら普通にパン食べたら?って思っています。

 腸内環境がシビアに悪い方や、小麦アレルギー、セリアック病の方はグルテンフリーが大事ですけどね!

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