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実家の片づけとピアノのリペア

突然の身内話なのですが、3年ほど前から、実家の整理をジリジリと始めています。
一人身の母は60代なかば、今も某企業のお局として働いていますが、退職後に住むための新居へ昨年引越し。
それに伴う実家の整理、マンションの売却準備を家族みんなでお手伝いしています。

引っ越しのほうは、”残るは本体の移動のみ”という段にまで達しましたが、ここにきて上がったのが「実家のピアノをどうするか」という問題でした。

母が結婚する際に、「新しい家でもピアノが弾けるように」と、私の祖父が贈ってくれたアップライトピアノ。
母はもちろんのこと、4才からピアノを習い始めた私にとっても、長年にわたって大切な相棒となりました。

途中、両親の離婚やそれに伴う引っ越しによって、数年間はなればなれの時期もありましたが、それでも母と私にとっては大変思い出深いピアノです。

さて、このピアノをどうするか。
処分するべきか、あるいは引き取ってくれる人はいるのか。まさか、新居に持っていく?
良いピアノであることは間違いないのですが、製作されたのは少なくとも30年は昔だし、母の新居のスペースにも限りがある。

とりあえずまずはとプロに見積もりを頼んだところ、「オーバーホール(中身全とっかえ)したほうがいい」と言われた上、新居へ搬出するにもそれなりの費用がかかるし、調律などの維持費も年単位で発生する。

かな~り悩みました。

が。

最終的には、母の新居に持っていくことにいたしました。
オーバーホールについては「今後一家で本気でピアノを弾くものが現れたら行う」と、とりあえず見送り。
年一回の調律だけ、昨年から再開しました。

そのピアノが、ついにこの連休中に母の新居に到着しました!

おかえりPRIMATONE

本当に悩んだけれど、やっぱり連れて来てよかった!
本物のピアノの音、響き、振動。
久しぶりに触れた相棒に、胸がいっぱいになってしまいました。

おうちにピアノが入っただけで、なんだか住居人が一人増えたような、大好きだった祖父が近くにいてくれているような温かさも感じました。
しかも、まるで始めからピアノを迎え入れることが決まっていたかのように幅もぴったり。インテリアもしっくり(笑)
母もとっても嬉しそうでした。


ピカピカの新品や便利な最新グッズより、やっぱり私は古くて不完全でも、重厚で時間の流れを感じさせるものが好き。
モノも人も、シワたるみスレ色褪せって、すごく素敵に思えるんですよね。
成熟して魅力的にエイジングできるモノ、人間に憧れを感じます。

そういう変わった趣味のせいか、自分の家の家具も、ほとんどが実家にあった数十年ものの重たい木製のもの。
そういう”重鎮たち”ばかりを修理して、「重いなぁ、不便だなぁ」とか言いながらも、世話も込みで楽しみながら使い続けています。

それにしても、職人の技ってすごいですね。
ピアノのような超精密な楽器を、30年も40年ももつように、正確かつ頑丈に作ってしまうのですから。

離れ離れだった時間を取り戻すべく、ジャカジャカ弾くぞ!

着手当初は気が遠くなりそうだった実家の片づけも、ピアノの搬出により大きく前進。
最後まで順調に進みますように!

※実家の片づけ経験者さん、いらっしゃいましたら経験談ぜひぜひ聞かせていただきたいです…!(切実







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