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[創作回顧録] 散文詩「憂鬱」~高校生の頃こんなの書いてた自分ていったい...

高校生の頃に文学青年かぶれだったことは以前の記事に書いたとおりですが、またまた出てきました。散文詩「憂鬱」。これは未完(笑)なんだけど、書いた覚えがあまりないですね。おそらく高校ニ、三年生あたりかと思います。



散文詩:憂鬱

枯葉
僕が立ち止まったこの並木道には死骸がごろごろしている。乾いた血の気のない醜い死骸だ。ぼくはそれらをわざと踏み潰しながら歩いてきた。ふと上を見上げると天井では処刑の真っ盛りらしい。あちらからもこちらからも死骸が降ってくる。そのうち一枚が偶然にも僕の額に落ちた。ぼくはそいつを手でつかむと粉々に握り潰した。美しいものに残酷なのはどうも僕の性格の一端であるらしい。だが、どちらにしても--なんのことはない、ただのありふれた午後だ。

幽霊
そいつは毎晩やってくる。「不安」と「希望」のふたつの衣服を身につけたそいつ--あるいは幽霊かもしれぬ。できるならそいつの「不安」のドレスをひっぺがしてやりたいが、非常に口惜しいことにそいつは「不安」のドレスを内側に着込んでいるのである。だからぼくは手を出せずに黙って見ているほかなく、少なくともその外見である「希望」にだまされぬよう心がけているのだ。なかなか狡猾な幽霊はそれでいつも自慢げである。ぼくはどうかすると気が狂わんばかりに怯えるが、それで案外幽霊の来訪を待ち望んでいるのかもしれない。矛盾だろうか?


くらっ!笑
ネクラなのは自覚しているけど、そこそこ高校生活は楽しんだはずなんだけどなあ。かぶれるとこうなるの典型ですね。


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