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[創作回顧録] My詩集「悪魔に乾杯」#2

10代に書いた詩集の続きです。



左手と右手

ガラスに映る左手と右手
背後の窓には霞むビルディング
視界が流れていく

右手は指す
暗い空の先
滑空する飛行機の光
白い冬の水面へ 落ちていく

左手は指す
窓にもたれるたわわな黒髪
かすかに聞こえてくる安らかな寝息
ガラス越しに指先が暖かくなる

窓に映る左手と右手
車輪は揺れ両手が消えても
線路はどこまでも続く
向こう側の世界へ


おはよう(青の世界1)
おはよう
僕の横から少女が声をかけた
おはよう
言い返した言葉とともに
ひととき太陽が雲の隙間から顔を出す
そして意地悪く笑うと
すぐにまた灰色の雲に隠れる
僕の涙いっぱいの目に
また青白い世界が
舞い降りてくるのが見えた
(1979年10月)


かぶれてますねえ(笑)。
まだまだありますが、今日は2編ほどで。


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