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「同族狩り」~毎週ショートショートnote

俺は白い壁とステンドグラスが印象的な路地裏の小さな仏蘭西料理店で昼食をとっていた。といっても俺が頼んだのは赤のグラスワインだけだ。ここの赤ワインがお気に入りだった。
しばらく姿を見せなかった総料理長が調理場に姿を現した。
俺は呟いた。「突入せよ」
大きな音とともに店の扉をぶち破って防護服を着込んだ数名が乱入してきた。同時に総料理長が先ほど出てきた裏口の扉も破られ数名が突入していた。
「ハンターか!」
総理長は叫んだ。形相が次第に悪鬼のように変化し牙をむき出しにする。防護服の連中は調理場に達すると背負っていた消火器のような形状をした道具を取り出し一斉に総料理長に噴射した。霧状のスプレーが総料理長を四方八方から包みこんだ。総料理長は悲鳴を上げた。一分もしないうちに悲鳴はか細くなり粒状の総料理長は霧となってかき消えた。
やれやれ、お気に入りの店がまた一つ減った。
俺は赤ワインを飲み干して嘆息した。
口の奥の牙が鋭く光った。


本作は、毎週ショートショートnote参加作品です。たらはかにさん、いつもありがとうございます。


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