見出し画像

民間劇場とゲストハウスの1階で喫茶をする、長野・リベルテの居場所づくりが美しい。

居場所づくりに、初めて「美しい」という言葉を使いました。

長野県・上田市にあるNPO法人リベルテ(以下 リベルテ)の実践を例にとり、ケアとまちづくり、そしてアートはその時どんな役割を果たしていくのだろう?を考えていきたいと思います。

私がリベルテの実践を見聞きする中で美しいと感じるポイントは、2つ。

1つは、ケアをする人の人柄が、町の資源(ヒト・モノ・コト)を呼び寄せていること。もう1つは、ケアの働き手の日常がとても大切にされていること。

このポイントがなぜ「美しい」と感じるのだろう?

読み進めながら、私と一緒に読み解いていってください。

ヒトはヒトに集まってくる

リベルテは、2013年4月に設立された。
福祉事業として、「スタジオライト」指定障害福祉サービス事業多機能型(生活介護・就労継続支援B型)を提供と、施設外就労にて上田市海野町にある演劇・イベントスペース犀の角の喫茶運営を受託している。
もう一つ、文化事業として、2014年から法人のある町の祭りにあわせてイベントを企画。障害のある人のしごとを町の複数の事業所と共にワークショップを企画したり、全国から話し手を呼んだ学び場も企画している。詳細はこちらを参照した。

2019年2月に、第一回リベルテ100年未来会議  に参加した。ワールドカフェ方式で、リベルテに何かしら縁がある人たちが集まり、それぞれが机ごとにテーマを決め、そこに惹きつけられた参加者それぞれが、考えを交換する場。

このリベルテの代表の武捨(読みがな:むしゃ)さん。余談だが、初めてお会いした時、「え?むちゃさん?むしゃさん・・本名・・?ですよね」とつい言ってしまった。どうやら、祖先が「武士の身分を捨てた」ことが由来しているとその時は聞いて、なんだか納得してしまった。ああ、それで、武捨さん。
そのお名前もそうなのだが、背が高くて、なんというか、のっそりしている(表現が稚拙ですいません)。一度見聞きしたら、おそらく忘れない人だろう。

あまりそこまで知り合いになってはいないのだけど、この武捨さん、なんだか求心力があるなと感じた。

武捨さんは、元々別の法人の工房で、障害のある人の創作・表現活動に8年携わっていた。その後、地域の中にリベルテが存在する必要を感じ、勤めていた法人の力を借り、そして仲間を集めて今の活動をスタートさせた。

なんだか求心力はあるのだけど、どことなく、人の関わりしろがありそうな方だなと思っていたら、こんな話を聞いた。

ここから先は

1,836字 / 3画像
この記事のみ ¥ 300