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月は心に、愛は己に

月が甘美な程に美しいのは
私の心が美しいからである

私の心情が麗しいのは
あなたがどこかで健やかに生きているからではなく

私の心身の均衡が綺麗に保たれているからである

月の誕生日さえ知らない性分で
私は図々しくも月に祈りをかける

黄色い月がいつまでも
ここで華麗に咲いています様にと

深海の手前の様に暗い夜空に
心の灯台である月は

私の心をはっきりと浮き彫りにさせる

必要なものさえ手放して
もっと身軽に踊りなさい

そう私の心の枠組みは語りかけてきた

私は軽い

最も軽い面持ちで跳んだ

これでいつでも撃たれていい
涙の銃弾に撃ち抜かれても
構わない
何故なら
愚鈍な心に捕まることはもうないのだから

夏の始まりの夜風がふと
私の小さな口に入ると
この夜をひとかじりした様で
とても贅沢な気持ちになる

これは季節の威風が素晴らしいのではなく
私の脳が幸せに変換してくれているからである

故に愛ある月の民である

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