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ミルフィーユ

万象なりとも幾重に連なる場所に生まれ
なんにも持ってはいないなどとは
戯言になってしまう世で

背負った分だけ脚腰を鍛えるばかりなもんで
重くて重くて嫌気がさして
ひとつずつ捨てていってしまえや

最後なんて何が何だかわからないもんで
遠い街の夜景より
近くの灯籠をひとつひとつ愛でりゃあいい

宝が枯葉一枚なったらなったで
どんどこ枯葉は幾重に積もるで

千枚
枯葉の音がする

さくさく さくさく

その上歩いて
振り解いては
哀しみ慈しみ
憂の足音沢山増えたら
美味しい甘味を供えて下さい

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