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組織が、よくなってきた。

おはようございます。
今日の東京はいい天気で、気持ちのいい空気が広がっています。

先日お会いしたクライアントさんは、
組織づくりに苦労されてきたのですが、
ここ1年で見違えるような組織になってきました。

とてもがんばりやの経営者さんで、
毎日仕事はがんばるし、
スタッフさんのためにもがんばります。

でも、スタッフさんの離職で痛手を負ったり、
辞めていったスタッフさんからネガティブな言葉を
浴びせられたりして、とても疲れていました。

僕はその会社のことを色々伺い理解を深めた上で、
「聴くことに重きを置いた、対話の時間を作ろう」と
提案をしました。

スムーズな対話ができるとは思いません。

社内の関係は(見た目は普通だけれど)冷えていて、
普通を装っているけれど、どこか「対立的」です。

けれど。荒療治とわかりながらスタートです。
自発的な意見はむずかしいですから、
ファシリテートして、それぞれの人の話を促します。

普通に多くの会社であることですが、
最初は誰もが、心のどこかに不満や怒りを抱えていて、
「大人として、それを出してはいけないから」と
抑えながら話すから、ぎこちない。

どうでもいいことを話すわけではないのですが、
声が硬くて薄くて、どこか批判的な音を含んでいるから
誰にも届かない。

でも、何度かそれを繰り返す。
すると、最初の小さな変化が現れます。

その変化は「経営者さん自身」に現れます。

僕が見立てたその会社のマネジメント上の課題は、
経営者さんががんばりすぎていることでした。
一人でがんばり、すごくがんばり、
でも、まわりのひとに上手に意識を向けることはできない。

それが、スタッフさんの「声」を聴くことで、
経営者さん自身が、
「自分の周りには、さまざまなことに気づき、よくなろうとしている仲間がいる」
「周囲にいるのは仕事をする『生産性』ではなくて、人なのだ」と、
言葉ではなく体で気づいていくのです。

それから、スタッフさんが実現したいことを(少々いびつな形でも)
制度として、形にするような打ち手を打っていきます。
スタッフさんの気持ちが、本当に会社の制度になっていく。
自由に働ける仕組みになってくる。

同時に、経営者さんには、セラピーを行いました。
僕が「経営者のための、意識の変容カウンセリング」と呼んでいるものです。

お金を失い、会社を失う。
それは経営者にとっては「死」を意味するほど怖いことです。
会社をゼロから作り上げてきたからこそ、
「会社は、またなくなるかもしれない」ことを、
会社の中で唯一知っているのも社長です。

でも、「お金にまつわる、恐れ。お金は無くなるものという前提」を持っていては、走ることから逃れられません。
他者を「なくなったら困るお金を産む生産性」と見る視線から逃れられない。たとえ、人を大切にすると何度口にしていても、前提がズレるんです。

(この経営者さんは、すごくいい人なんです。でも、いつの間にかおそれに支配されるんです)

「経営者のための意識の変容カウンセリング」では、
その方のお父さんとのエピソードが出てきて、とても大切な時間となりました。ひとつひとつ向き合っていかないと、「走り続けること」に取り憑かれて、そんなものは自分の意思でもないし性格でもないのに、逃れられません。「我を失った人生」です。
分離が統合に近づくたび、組織に変化が見られて、経営者さんは「自分の内面が、外にこんなふうに影響するなんて」と驚きます。

1年ほどの時間が過ぎた先日、
改めて組織のことを話を聞くと、組織は変わっていました。
(組織のこと以外にも、戦略を前に進めているので、
 毎回そのことを話すわけではないんです)

会社を良くするために、みんなが自分の意見を言うようになりました。
個人のやりたいことを、会社がサポートして成長の機会を提供するようになりました。
よく聴き、よく話す。
給与のことだって、スタッフが自分の意見を言えます。

さて、この会社はこれからどうなるのでしょう。

よく「成功」という言葉を使いますが、
会社経営は「終わり」があるわけではなくて、
ずっと「プロセス」が続いていきます。

組織のことに光明が見えてきたので、
次の「本当の問題」へ移ります。
ある大事な問題の見立てを話したら、
「そうやって捉えるのか。本当に目から鱗です」と喜んでもらえました。
課題が見えたので戦略を立て、次のステージへ。

(僕はお客さんも、スタッフさんも、もちろん経営者自身も大切にするビジネスをつくれると信じています。)

吉井りょうすけ


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