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【講演会レポート】起業の際に必要な目標の立て方〜設計と達成プロセス〜2/25(木)20:00- 開催(主催:ワクセル)

ワクセルは2/25(木)20:00-21:00、3年間で延べ1万人以上の学生エントリーを誇る事業に育てることに成功した起業家の見手倉 広貴氏(株式会社JLBC 代表取締役CEO)によるオンライン勉強会を開催いたしました。

大学を1年で退学して移住したベトナム。現地での気づきとご縁がきっかけで日本語学校の運営に携わることになり、日本帰国後に22歳で株式会社ガイダー(現:株式会社Glowing)を創業。今回は、3年間で延べ1万人以上の学生エントリーを誇る海外インターン事業に育てあげるにいたった目標設定力と目標達成力をシェアしてくださいました。本レポートでは今回の講演会の報告をいたします。

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■講演会の概要
本講演は、​次世代を担う起業家の輩出と人財育成に取り組む嶋村吉洋が主宰する、ワクセルによるオンライン対談イベントです。22歳で株式会社Glowingを創業し、3年間で延べ1万人以上の学生エントリーを誇る海外インターン事業に育てあげた、見手倉 広貴氏(株式会社JLBC 代表取締役CEO)が講師となりました。

今回のテーマは「起業の際に必要な目標の立て方〜設計と達成プロセス〜」です。

本勉強会のプログラムは以下の構成で進行いたしました。

●自己紹介・事業紹介
●目標達成力
●目標設計とプロセス
●Appendix
●質疑応答時間

見手倉さん2

■講演会の詳細

ビジネスもスポーツも、監督あってこそ

「学生時代は、勉強せずに野球ばっかりの日々でした。」
親しみやすい笑顔と明るさで、見手倉氏はまずはご自身の自己紹介と事業の紹介をしてくださいました。

高校から大学へ進学するも、1年で退学してベトナムへ移住すると、ホーチミンでジンギスカンを焼く仕事に勤しんだという見手倉氏。しかし、そこで貴重なご縁があり、日本語学校の運営に1年間関わります。その運営経験の学びから、日本に帰国すると22歳で株式会社ガイダー(現:株式会社Glowing)を創業します。

全国1万人の応募の中から、年間100人の大学生を選び、完全無料で連れていく海外インターンシップ事業。
2週間にわたって現地の社会課題を解決するワークショップを行うプログラムを提供するのが、株式会社Glowingです。現在は、当事業の代表は友人に譲り、見手倉氏自身は株式会社JLBCの上場に力を入れています。
株式会社JLBCは、人手不足で外国人の受け入れが多くなる日本で、その体制を整える事業を扱っています。
また、他にも、共同で創業した会社や協力している会社などでも活躍し、見手倉氏は幅広く多事業に取り組んでいる起業家です。

現在も過去も色々な経験ができているという見手倉氏ですが、それはある2人の恩師(監督とも表現)の影響が大きいといいます。強みが異なる2人から学んだことも、今回の講演会で交えてシェアしてくださるとのこと。
まずは目標達成力についてお話いただきました。

見手倉さん3

目標設計には、大原則がある

「目標達成力とは、夢をかなえる力です。」
見手倉氏は、そう定義します。夢をかなえるためであれば、しっかりと設計することがまず大事だといいます。
とあるイギリスの調査では、年初に立てた目標を実際に達成したのは12%。見手倉氏はその理由は以下の2つしかないと断言します。

・目標設計が間違っている
・目標達成のプロセスが間違っている

ここで大事になるのが、目標設計の大原則です。
見手倉氏はその大原則【​SMART】を会社でフレームワークとして扱っています。

・Specific=具体的か?
・Measurable=測定可能か?
・Achievable=達成可能か?
・Related=自分に関連しているか?
・Time-bound=期限があるか?

「具体的か」「数値目標になっているか」という点も非常に大切ですが、見手倉氏は「達成可能かどうか」が一番大切だといい、わかりやすくRPGゲームのドラゴンクエストに例えてくださいました。

「一番最初の状態では、ラスボスは倒せない。」

見手倉氏も、ベトナムから日本へ帰国したばかりの時は、「リクルートの世界版を創りたい」という思いで走り回っていたといいますが、ビジネスには段階や順序があることを教わります。起業において、大きな目標をたてがちですが、まずは足元を見ること、つまり「達成可能かどうか」を考えることが重要だといいます。

見手倉さん1

また、「自分に関連しているのか」という項目もキーで、自分へのリターンがあることも設計に含まなければ、やる気がなくなってしまいます。お金持ちになれる・家族が幸せになる等のリターンも重要視します。

最後の「期限があるか」に関し、実際に細かく紙に落とし込んでいる人は少ない実感があるといいます。
目標に対する期限をつくるのも大切。期限があると、自分の動きが明確に、そしてスムーズになるのです。

そして、目標達成において大事になプロセスとして【ゴールとマイルストーン】があるといいます。
ゴールから逆算したマイルストーンがあることで、実際に何からスタートすれば良いかがわかります。また、これをさらに【マイクロタスク化】することで、1日1日やることが可視化され、仕事の進行には効果的だといいます。

つまり、

・目標設計=SMART
・プロセス=①GOALとマイルストーン ②マイクロタスク化

という点が非常に重要になります。


更なる目標達成に向けて大事な5要素

さらなる目標設計と達成に向けて、見手倉氏はAppendixとして5つの要素をシェアしてくださいました。

1つ目が【リワード】。
見手倉氏は、なにか達成したら報酬が得られるように設計しているといいます。
例えば、「売上1千万円を達成したら、美味しい料理を食べに行こう」「売上5千万円を達成したら海外旅行に行こう」などといったものです。これにより、社員のモチベーションが向上するのです。

最近では「Gamification(ゲーミフィケーション)」という言葉もあり、これは「ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用すること」をいいます。まさに見手倉氏は、ゲームのように達成感を感じることができるように工夫しているのです。

2つ目は【可視化】です。
見手倉氏は、数値ですべてを見せるようにしています。
すべてのメンバーに数字を共有することで、「あと少しだから頑張ろう!」「ここまでみんなで力を合わせよう!」といったようにモチベーション向上に役立つといいます。

見手倉さん4

3つ目は【スコア】。
ポイント制やランキング形式を活用しています。
上位達成者には、なにか「ご褒美」を設けることで、それぞれが健全に競う文化を創っています。

4つ目は【協力】です。
これはとても大事だと見手倉氏は述べます。
実際になにかやろうと動き出す時も、メンバーや友達と一緒にやることをお勧めします。その方が自分のモチベーションが上がり、結果的に達成に近づく為です。

実際、見手倉氏の会社では、社員全員で集まって人生レベルのSMARTを設計しています。
ちゃんと進んでいるのかなどの報告やフィードバックをもらえる環境を創っているのです。

最後の5つ目は【競争】です。
これは好き嫌いがあるので、好きな人はやればいいかもしれないといいます。
競争に燃える社員も一部いるので、そういった場合は効果的なのです。

こうして、講演の部は怒涛の勢いで終了を告げ、時間は質疑応答に。


1人ではやらずに、フィードバックを得ながら

1つ目の質問は「達成可能な判断基準は何ですか?」というもの。
これに対し、見手倉氏自身が実践していた方法は「起業のテーマが決まったら、事業計画を紙に落として第三者に見せていく」というものでした。
これにより、様々な角度からフィードバックを得ることができ、改善を重ねることができるのです。
達成可能かどうかは自分の判断ではなく、第三者に聞くことだと結論付けます。

2つ目の質問は「2人の師匠にはどれだけの計画のすり合わせをしてきましたか?2人いると迷うこと等なかったですか?」。
見手倉氏は、「確かに言われることは違うが、質問内容を変えていた」とのこと。
会社のマネジメントや方向性についてはこの方、技術やファイナンス面はこの方、というように相談する内容によって分けていたといいます。徹底しているのは、大きな方向性を決めるときは、必ず相談しているということ。

見手倉さん5

次々と来る質問にテキパキと的確に答えていく見手倉氏。
3つ目の質問も会場からすぐに飛んできました。

「マイルストーンからマイクロタスクに落とし込むときのコツはありますか?」

この点において、見手倉氏は「Whyツリーみたいなものを徹底して行っている」といいます。
事業計画を作る際も「そもそもなんでこれがいるのか?」から始め、どんどん掘り下げていきます。
そうすると自然とそのタスクが浮き彫りになるといいます。

また、コツとして、「紙に書いて枝葉にしていくこと」「そしてそれを1人ではやらずに3人で意見を出し合いながらやること」とのこと。
フェアに意見を出し合う文化。ご自身の失敗談を交え、今では重要視している点だといいます。

4つ目は「達成目標を具体化するにあたって意識していることはありますか?」という質問。
見手倉氏は、何の業種をしたいか、それを掘り下げて創っていくといいます。そして、やはりこれも1人で考えるのではなく誰かに聞いた方が良いといいます。
実際、株式会社Glowingも、もともとは全く異なる着想から生まれたとのことで、見手倉氏はご自身の経験をもってフィードバックの大事さを語ります。
また、専門家、県や市が開催する相談室、地方の社長とのご縁なども積極的に利用し、ヒアリングは徹底しているといいます。

このフィードバックをもらうときの「第三者」の順番について、見手倉氏は「関係値が近い順に聞く」とのこと。
会社のメンバーや友達からはじめ、徐々に関係値の遠い人へ。
近場の方がすぐに相談できるのでおすすめだといいます。


こうして、スピード感のある学び満載な講演はあっという間に終わりとなりました。
適切なマイルストーンを設定してご自身のゴールに向けて躍進し続ける見手倉氏。

掲げた大きな目標達成に向けて今この瞬間を走る若手起業家から、大切な大原則を学ぶ時間となりました。

見手倉さん6


■見手倉氏 プロフィール

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株式会社JLBC 代表取締役CEO
見手倉 広貴(Koki Mitekura)

1992年生まれ。
福岡大学中退後、ベトナムで日本語学校の設立・運営に1年以上携わる。

経営が軌道に乗ったタイミングで現地起業家に事業を譲渡。

帰国後、2015年7月に株式会社ガイダー(現:株式会社Glowing)を創業。海外インターンの企画・運営事業にて大手企業等と提携し、3年間で延べ1万人以上の学生エントリーを誇る事業に育てる。その後、日本語教育の課題をシステムで解決できることに気付きJLBCを着想 。

2019年5月に株式会社JLBCを設立。現在に至る。


■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY「ワクセル」
ワクセルは未来を切り拓く人たちが集まり、世の中のワクワクをいっぱいにし、これからの社会を創るためのソーシャルビジネスコミュニティとして、持続可能な社会づくりや事業輩出のための活動、講演会を開催してまいります。ワクセルは自律した人たちが集まった上下の関係のない横のつながりの組織です。

ワクセル公式HP(主宰:嶋村吉洋)


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