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明日も息を吸うために、命を吐き出している。

#2

悲しい時は、不思議と煙草が吸いたくなる。
「百害あって一利なし」そんな先人の言葉が後押ししているのかもしれない。

煙は嫌いなのに、夜を飲んでいるようで好きだった。
刻(きざみ)を蝕み、瞬く最中に灰へと変わる。
削れた分だけ、肺へと巡る。
たかだか数分ぽっちの時間を寿命に置き換えた時、刹那に光る煙草ほど自分の人生は劇的だろうか。
慣れない煙草片手に、そんなしがないことを考える。

明日も息を吸うために、今日も命を吐き出している。

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