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ワヴデザインのインターンプログラム参加者座談会

ワヴデザインでは、新人育成のケーススタディや、異なる世代の思考を取り入れるといった目的で、定期的にインターンプログラムを開催しています。今回は第一回目のインターンプログラムに参加した3名を集め、座談会形式でワヴデザインのインターンの内容や感想を語ってもらいました。第一回目はインターンプログラムをインターン生と共創することから始まりました。
※本内容は2021年にコーポレートサイトにて掲載した記事の再掲載です。

参加者:阿部直樹(左)
南オレゴン大学Emerging Media and Digital Arts学科卒業。課題特定から情報設計、ビジュアルデザインまで一貫したロジカルさを持ち、UI設計からグラフィックデザインまで幅広く担当。インターンを経て現在は社員。

参加者:中田隼斗(中)
武蔵野美術大学芸術文化学科卒業。大学時代は錯視と造形心理を用いた視覚表現について研究。主な受賞に、JAGDA国際学生ポスターアワード2019銅賞、第13回世界ポスタートリエンナーレ トヤマ2021入選など。インターンを経て現在は社員。

参加者:鹿島理佳子(右)
武蔵野美術大学油絵学科卒業、東京工業大学大学院修士2年。大学院では「幻肢」の研究を行う傍ら、現代美術の領域で作品制作も行う。主な受賞にCAF賞2020金澤韻審査員賞。インターンを経て現在は学生のためアルバイト。

インターンプログラムの全体スケジュール

インターンプログラムを終えて率直な感想

阿部:インターンからは多くのことを得られましたね。僕の場合、まだインターンプログラムが始まりつつある一番最初の参加者だったので、インターンプログラムを一緒に作りませんか、と提案されました。最初はすごく戸惑いました...。インターンプログラムを作るということは一つのプロジェクトをワヴデザインと共創することになります。自分からはインターン生のニーズをだしつつ貢献し、プロジェクトの進め方という所では多くのフィードバックをもらいました。この行為こそが実は学びになっていて、“ああ、インターンプログラムを一緒に作るということはそれ自体が学びになっているな”と意図に気が付きました。結果、ワヴデザインについてもよく知ることが出来たと思いますし、自分のスキルの得意、不得意も意識することが出来ました。

中田:最初は阿部くんしか参加者がいなくて、少人数だったのが良かったです。僕も同じくインターンプログラムを一緒に作ることになりました。インターンの目線からインターンプログラムを作っていたので、強い当事者意識が芽生えて、鹿島さんも合流しインターン3人で全力で作ったりと、2ヶ月がとても密度の濃い時間でしたね。あとは、単純に近い世代で交流できたというのもすごく楽しかったです。最初は少人数の会社に入ると同期がいないことがあるので、気軽に悩みを相談できる人がいないのが気になっていました。今ワヴデザインでは定期的にインターンプログラムをやっているので、現在のインターン生との交流会があります。近い世代の人で人間関係ができ、気軽に相談できる人が増えるのは良い環境ですね。

インターン生で制作したインターンプログラムの表紙造形
ロジック課題、組版課題、コミュニケーションから成る ※内容は随時アップデートされています


鹿島:私の場合、辛い半分・楽しい半分という感じでした。課題が辛くて、まず課題という言葉で胃がキュンとなってしまって(笑)。私は学部が油絵学科出身でグラフィックを学んだことがなく、元々サービスデザインを見てもらっていたので、出来るのかな...という感じでした。ロゴはアプリのスプラッシュやアプリアイコンはやったことがあったのですが、建物や施設のロゴは初めてで私は何をやったらいいのか全然分からなくて。実際うまく作れてないなと思うものを見せるとうまくいってないね〜と言われて、う〜ん苦手だと(笑)。

鹿島さんがインターンプログラムの課題で制作したロゴ


鹿島:ロゴは特に形の修行があると感じました。アイデアとして良くても、それがロゴとしていいものかは全く別の話で…。同じアイデアでもいいロゴになるかならないかはこの右手にかかってる。コンセプトは完璧なのにうまく形にすることができないもどかしさ....。普段デザインすることの多いUIでは、デバイスによるデザインの制約も決まっているし、コンポーネントも定まっていることが多いのでなかなかその乖離は起きないのですが、ロゴで重要になる形を見極める力、形にする力、美的な部分を疎かにしていたからすごく辛かったです。でも、毎週のフィードバックで丁寧に教えていただいたので、どういったことに気をつけなければいけないのかが明らかになってからは、ロゴデザイン制作が楽しくなりました。例えば、

  • 最少単位を設定し、その単位に沿ったマージンですべてのサイズを決める(フリーハンドでアプローチをすると無数にバリエーションがあるが、最少単位を決めれば良い制約ができて制作しやすい。初心者はそれから始めると作りやすい)

このアプローチで整うことを自分の手で実感しましたね。ただ、楽しいけどもちろんすぐには良くならなくて…というのはありました。毎回月曜日の朝4時とかずーっと作ってました(笑)

中田:かわいそうに…(笑)

鹿島:苦手なことをやるのは辛かったけど、それでもやればできることが分かったのは楽しかった。また、全体会議では緩い交流があり会社の雰囲気が肌で感じられた、ワヴデザインの皆さんの人となりが優しくて嬉しいな~と。案件アサイン会議の見学では、仕事ってこういう感じに割り振りするんだ〜とも具体的に見えた。事業会社では働いたことがあるのですが、デザイン会社では働いたことがなかったので、全体像が掴めましたね。

中田:全体会議の印象は強くありますね、毎週参加できたので、社員さんともリモートでありながら喋る機会が多く、コミュニケーション面で大きな不安がなく過ごせた。インターンの中で良いポイントだったなと思いました。

鹿島:それから、私たち3人のインターンの際は、全員専門分野が違うので中田さんはグラフィック、阿部さんはモーション、私はロジックの方が強くて、無茶苦茶嫉妬したけどみんな違ってみんないいよね、という感じでした。


インターンプログラムの良かったところ

鹿島:私は特にフィードバックがありがたいなと思いました。3人で参加したので張り合いもありましたね。中田くんが褒められてる(嫉妬)みたいな(笑)。それは冗談ですが、フィードバックの内容を人によって変えていることを知れたり、他の2人を見ても、あ〜そういうこともあるんだとか。自分のデザインには出てこないものが二人には出てくるので、横からも学べる学校のようにも感じました。フィードバックは本当に多かったので、気づきが多くありましたね。

中田:かなり丁寧なフィードバックでしたよね。最後にやる組版課題というのがあるんですが、時間の関係で今までやった組版の成果物を見せてください、ということになりそれを見せる機会ありました。

鹿島:楽しかったね〜あれ

中田:楽しかったですね、自分で自信のあった卒業制作の図録のデザインを見せたら、松本さん(代表松本龍彦)から“あ〜!そうやればもっと良くなったのか!”というアドバイスをもらえて。

中田くん制作の卒業制作図録素材となる写真、作品、テキストが様々であった。


中田:約80人が掲載されている図録の場合、作品によって論文の人もいれば作品の人もいるし、縦か横かもバラバラでした。更にその人のプロフィール写真も入るんですが、写真のクオリティもまばらになってしまうのを、どうデザインとしてコントロールするかが一番大きな課題でした。あと文字数も人によって違うという。そこで、例として見せて頂いたのがCA4LAのwebサイトです。文字がちょっと画像にかぶっているんですよね。そうすると様々な写真が来ても調和が取れて見えたり、テンプレ感がなくなる。

ワヴデザインがディレクションを手掛けたCA4LAのWebサイト
クライアントでの頻度ある更新を考慮し、写真は大きすぎないサイズ、下地のカラーとテキストはレイヤードすることで、様々なケースの画像がきても全体の質が担保されるよう設計されている。


中田:文字数のばらつきもちゃんとコントロールをして、明確に文字数を定めて原稿を送ってもらうと良いよ、ということもアドバイス頂きました。例えば25〜30文字で、とかなり明確に決めるとか。このように実際仕事をしていく中でどうクオリティをコントロールしていくか、実践に使えそうなお話をしていただいたのが本当にタメになりました。インターンの中には、業務と切り離してお手伝いっぽく開催されるものもあると思うのですが、そうではなく案件にも活かせるような内容がとても良かったです。

阿部:先ほど話したことと少し似てるんですが、全体会議とかタスクの振り分けとかにも積極的に参加するよう言われていたので、本当にワヴデザインの働き方や実際に社員とのコミュニケーションの取り方などは細かく知ることができました。現在は社員になり、スムーズに案件に携わることができたのでそれはとても大きかったですね。

鹿島:コミュニケーションもかなり丁寧に教わりました。これはどう思う?と聞かれた際に、うまく言語化出来ない時があるじゃないですか、つい黙ってしまうみたいな(笑)。「考え中」なのか「わからない」のか「答えがでそう」なのか、ステータスを伝えたほうがいいよ、というアドバイスがありました。PCの処理中画面みたいで、特にリモートだと沈黙が続いてしまうので状況が分かるといいよね、と。知らないことは恥ずかしいことじゃないと言われたので、私は全部何でも言うようになりました(笑)


アルバイトや社員になった今の変化

中田:阿部くん、鹿島さんとインターンプログラムを作っていく過程で左脳が養われたというか、とにかく言語化することを意識するようになりました。デザイナーは、学生の頃の印象だと、とにかく右脳的に感覚的にかっこいいものを作って、とにかく納得させればいいんだろという風に思っていたんです。社会でデザイナーで働くということは、やっぱりそうはいかなくて、左脳も大事なんだとドラさん(ボードメンバー渡邉大純)を見ても特に感じましたね。自分に足りないところはそういうところなんだなって気づかされました。

鹿島:コミュニケーション全般、特に進め方が役に立っているなと思います。現在はワヴデザインで制作実績や記事の文章を書くのが一番多いのですが、アウトプットを小出しにしています。私の考えていることと松本さんやクライアントさんの考えていることもずれることがあるので、特に一回目はできるだけ早く上げるというのはとても意識しています。イラストも落書きみたいなものでいいからとにかく早く投げると、ほぼほぼ修正が来るので作り込む前に認識合わせをするというのは役に立っているなと思います。

阿部:インターンプログラム中、僕は様々なデザインが出来るようになりたいと考えていたのですが、ある日松本さんから、“自分の好きなデザインスタイルをとりあえずマスターしてみて”って言われました。まずは一つのことに専念して理解すれば他のスタイルの良さもわかるようになると。このアドバイスを聞いてから自分の迷いが吹っ切れたというか、自分の好きな分野をまず極めようかなと思えました。今現在も何か学ぶ上でもすごく役立っています。


ワヴデザインでインターンしたい方に向けて

鹿島:とにかく素直になることなんじゃないでしょうか。素直にでいることが一番誰にとっても良いと思います、このインターンでは。わからないことはわからないと言った方がいいし、嬉しいなら嬉しいと言えば受け手も嬉しい(笑)。元々のデザイン能力、自分がどのくらいできるかは置いておいて、素直でいれば持っている伸び代が最大限に伸びる場所だなと思いました。

阿部:確かに、ワヴデザインだからこそなのか。

鹿島:私は一時期でインターンを4つ掛け持ちしていたんですが(笑)、ワヴデザインだからこそと思います。もちろん組織や事業領域によりますが、目の前のことをとにかくこなす働き手としてインターンを採用している会社もあるかなと思います。でも、ワヴデザインはこれからの事業として教育もしていきたいというビジョンもあるから、インターン生に寄り添い、気持ちを大事にしている。インターン生が自分の気持ちに忠実で、伝えることをすれば、スキルや意識は引き上げてもらえると思います。他の会社にはあまりない特徴かなと感じます。

中田:僕もここまで丁寧にフィードバックしてくれる会社はなかなかないなと感じました。自分の今まで作ってきたポートフォリオに対してはもちろんですが、コミュニケーションや考え方に対してのフィードバックが手厚いという意味では唯一無二かなと。あとは、自分がどういうスキルが伸ばすべきなのか、何が得意で苦手なのか、もっと大きくいうと自分が今後どこへ向かっていくべきか、キャリアプランまでも俯瞰できるような機会になると思います。会社に寄りかかるというよりかは、能動的にスキルをつけていきたいという人に向いているインターンであり、会社なのかなと思います。

鹿島:個人が立つ、という意味も込めてデザインファームって名乗ってますもんね。


ワヴデザインでは通年でインターンプログラムの参加者を募集しています。

開催概要
日程: 毎年8月開催(時期は若干の前後あり)
時間: 週1〜2日で任意の時間で参加
期間: 1ヶ月
場所: リモート(居住地は問いません)
定員: 3〜4名程度

インターンプログラム
会社紹介
テーマに沿ったグループワークとプレゼンテーション
会社の代表や社員との交流、ディスカッション

応募要件
デザイナー職希望の学生
制作物(ポートフォリオ等)をご提出可能な方

応募期間
通年

ポイント
本質的な課題解決の考え方にふれることができる
リモートワーク(9割の社員がリモートワーク)
社内交流オンラインイベント多数あり
コロナ明けは社内外リアルイベントを実施予定
インターン参加者より社員登用の実績あり

お問い合わせ
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