QUIZ MASTERが神盤だった件(全曲感想)
NICO Touches the Wallsの新譜QUIZMASTERを聞いた。
NICOファンを名乗るぼくだけどラストNICOは一昨年のニコフェスなので、どちらかといえば”古参ぶりたがるくせに最近聞いてないファン”層にいる奴の一人だ。
好きなアルバムは青盤赤盤、オーロラ!というファンの目線で2019/6/5リリースの新譜『QUIZMASTER』の感想について書いていこうなどと思うのでよろしくお願いいたします。
そもそもQUIZMASTERについて
さて、そもそもこのアルバムは約3年ぶりのフルアルバムで、しかもニワトリ盤はほとんどがシングル収録だったということもある。そういう観点で見れば約6年ぶりともいえるガチアルバムということで、かなり期待の一枚。
古参ファンは大抵
青盤、赤盤>オーロラ>PASSENNGER>その他
みたいな共通認識があると思うんだけど(異論はみとめる)
QUIZMASTERについては毛色的にはオーロラに近いと思う。
1曲ずつ感想書いたので、ききながら読んでください
https://open.spotify.com/album/2e03mEDlsO2dWxmMBuSdSV?si=VHm2-QjdSuuA1d_6PQkOyA
18?
さっきも言ったけどなんせニコフェス以さp来ライブに行ってないもんで、前々からかなり話題に上がっていたこの話題でさえぼくは耳にしてなかったんすよ。
アルバム発売日に公開されたMVで聞いたくらいで(よくNICOファン名乗るよな)
そういえば最近スクエニのLife is strangeの実況をみてたんですけど、そのBGMとかで使われてそうな曲やなと思った。あんまこういう音楽ジャンルというか曲調って日本バンドじゃよく見かけないからこそキモくて最高。コーラス隊がライブで生きそうでめちゃくちゃライブ行きたくなった。この感情が生まれた事実だけでQUIZMASTERは優秀なのでは?
KAIZOKU?
イントロの音が印象的で少し後ノリっぽいヘビー曲。壊れた救急サイレンみたいなこれ何で音だしてるん?たぶんシングルB面にはいってたらファンの間で評価されるけどすぐに忘れられる某バケモノとか某BADROBOTみたいな曲かなという印象ではある。好きだけどね。普通のバンドがこういう曲だしたらダウナーな曲として人気そうだけど、高音域の光村が歌うと綺麗すぎてあんまり絵にはならない気がするんですけどどうなんだ。ただ、結構前のライブからライブでやっている曲らしいので、今後のライブでの定番曲になるのかもしれん。初見にもやさしくカッコいい曲という感想です。
マカロニッ?
正直かなり好き。
イントロ及び転換時で入ってくる無駄に手数多いし、全然音軽いのにクソ安定ドラムはやっぱり対馬天才でしかない。ふと思ったけどNICOでドラム始まりの曲って結構少ないのでは?いま浮かばないんであったらコメントで教えてください さっきのKAIZOKU?とのコントラストが生きてくるアッパー色が(このアルバムの中では)ある曲だと思う。たぶんNICOといえばって感じの曲ではないけれど、こういう曲調の方が光村の声質としてはあうんんだろうな。サビ前のところとかは急にNICOであること思い出したんか?っていう雰囲気(かなり好き)やが、まあそういうのも含めてNICOらしくなくてNICOらしい曲という評価。てか曲を通じてクソ速ウォーキングベースがえぐないか?坂倉ベースうまくなったよな。流石にもう光村に「俺の方がうまいw」とかいわれないだろ。おめ。
ulala?
一瞬NUM-AMI-DABUTZかな?ってなった。(まぁ、実際全体のリードの硬めな音色はかなり近い希ガス。)
エキゾチックなスケール感と4つ打ちのドラムが心地よい。80年代に回帰していたNICOが新規にこういうジャンルをせめてくるとは思ってもいなかったので、正直かなり嬉しいところ。ところどころのリフは単音ピロピロなのでヒトリエ感もあるというか、今までNICOにはなかったギターの使われ方な感じがする。古村ギターがこういうアクセント的な使われ方してるのは新鮮ですね。今後もこの曲系統は突き詰めて欲しい限り。
サラダノンオイリーガール?
最初の入りはかなり明るいけれど、リズム感は先程のulala?に近いのでこの曲順なんやろうな~などと思い。サビの底抜けに明るいところは、不気味にも感じますが。二番以降のミツムラップはダサくて好き。タイトルイメージとしてはGANIMATA GIRLに近いかなと思ってたけど、全然違って草。常に不安定な曲調ですが、まぁサラダ食べる女って仕事のストレスから深夜に酒飲んで、その罪悪感から翌朝は雨の日だろうとサラダとコーヒーと一緒に仕事してるような女ばっかやしな、しらんけど。
MIDNIGHT BLACK HOLE?
かなり洋楽チックなロック曲。歌詞も曲調も逆に安っぽいバンドらしいけれど、それが演奏力と技術力とボーカルでクソかっこよくしてみました!という曲に聞こえる。曲が2:54とかなり短いうえに一瞬英詩がはいってるのも相まってかなり洋楽ロックって感じ。今後はこういう路線も料理していくんでしょうかね、楽しみにしておこう。
3分ルール?
切なめポップロック。後ろでずっとなってるクランチギターがかなり好きですしコーラス隊との掛け合いが愉快なのに、切ないメロディラインの曲。ここまでくると大体そうなんですがQUIZMASTERは合わせ技というか、一筋縄ではいかないような曲が多い。単純に「あ~~こういう曲ね」って簡潔することがない。「あ?そういう雰囲気にもなるんか?」っていうのが3~4回は入ってくるから、書いてる方もめんどくさい。聞いてる分には楽しいんだけども。この3分ルールも例に漏れず、何回も驚かされる曲調。特にラストの”3分後”のコーラスが重なる箇所では、イントロからは想像のつかないエモの波が襲い掛かってきてクソ良い。ちなみに、能動的三分間(東京事変)だったり絶対的三分間(そこに鳴る)など3分にちなむ楽曲は3分で終わることがおおいですが、この曲は3:58で終わるとこ。NICOってそういうとこあるよな。
別腹?
静かに始まるムーディーなお洒落バラード曲。
こういうジャンルに造詣のない人間なんで特にうまいことかけないけれど、やっと安心して聴ける曲が来たな、という感じ。ラストに向けての箸休めか。そういえばウソツキもかなりバラードだったけれどそれに比べると、純愛というよりは大人の恋愛(ただし女々しい)という感じの歌詞なのも面白い気がする、しらんぞ。古村のピロピロギターがずっと控えめになってるところが珍しくて、こういうギターも弾けるのね~っておもいましたまる。
2nd SOUL?
「あーーーこれ絶対オーロラに入ってるやつーーーー」
っていう感じのイントロ及びAメロのダウナー曲!これこれ!こういうのほしいんだよ!赤盤青盤キッズのぼくたちは!光村の声に無駄にかかったリバーブが初期NICOの暗部を髣髴とさせるので血が騒ぐぜ。
ただ、やはりサビはキレイめなのでちょっと曲調わからん。そう簡単に我々のよろこぶことをやろうとはしない光村がにくい。ツンデレかよ。
とはいえこのサビ、ストリングス隊やコーラス隊なんかも入っちゃって荘厳なサビなのに、めちゃくちゃスキさえあればスケールから音はずす捻くれたメロディラインである。こういうとこ、キモいのでぼくは好きです。最後メジャーで終わるのもかえって不気味でいい。2ndSOUL?というタイトルがどういう意図なのかはわからんが、でも歌詞を見る限り光村というかNICOの決意表明に思えて仕方ないので歌詞カードみろ。このQUIZMASTERを皮切りに新しい決意で頑張ってくれるんかと思う。そんな新生NICOの始まりを予感させる壮大な1曲。
bless you?
なんかもう最後の曲か。ここまで早かったなぁ、とおもいつつも凝縮された時間でした。今までの9曲に思いをはせることのできる安らかなバラード。
鶏盤と牡蠣盤にかけてNICOが特にハマってた80年代フォークソング。ぼくはそんなに好きな系統じゃなかったのでそこらへんからぼくみたいなファン層は離れていった気がするが。でもそれをうまいことNICOの曲へと昇華させたような曲に感じる。これならアルバムの中に入ってても聞ける。シングルにいれられると困っちゃうけどね!
アコギとアルペジオとたまの古村エレキギターが複雑に入り乱れてる感じはスピッツとかに近い物も感じる。
今作の楽曲すべてにいえることではあるけれどあまり余韻を引っ張らずにすぐに終わる感じも素っ気なくて、そんなところにさえNICOの余裕を感じる気がする。気がするだけじゃないことを今後に期待。
まとめ
こんな感じでQUIZMASTER を聞いてきたわけです。41分の楽曲群はここ近年のアルバムの中ではかなり上位に食い込むのではないか、と思う。
少なくとも、期待の斜め上をいくアルバムだったし初期NICOの幻影にとりつかれていたぼくたち古参ファンを成仏させることはできたんじゃないですか(いい意味で)。どうでしょうかみなさん。そういった意味合いでは神盤といっても差し支えないかと思ったわけです。18?とかマカロニッ?ulala?やMIDNIGHT BLACK HOLE?みたいな新境地をものにしていく雑食性は見ていて愉快愉快。
相変わらず一言で語るのが難しいバンドだけども、まぁ今後ものんびり見ていこうかなと思います。ライブ行きたいなぁ。
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